研究実績の概要 |
Wistar 系ラット(40-50週齢)頭頂骨を切除して,試料骨片(5x5x0.5mm)を調整して-80度で凍結保存した.下記①ー⑤群の移植骨片を作製して,Wistar 系ラット(4週齢,雄性)背部皮下組織内に移植し.7,14,21,28日目に摘出した. ①穿孔骨 (バー φ0.6㎜:穿孔5点) ②超音波/生理食塩水処理骨(120W, 38kHz, 20min, 25℃) ③強酸性電解水単独処理骨(pH2.7) ④超音波/強酸性電解水処理骨 ⑤未処理骨(新鮮骨) 固定・脱灰方法:20%中性ホルマリン溶液に浸漬後,マイクロウェーブを加えて10% 蟻酸溶液で7日間脱灰後,連続切片(4μm)を作製した.切片はHE染色・II 型コラーゲン染色で骨・軟骨誘導を観察した.なお評価は外版表面のみとし骨髄腔相当や内板表面は除外した. [結果] ①穿孔骨: 28日でも骨誘導認めず. ②超音波/生理食塩水処理骨:28日でも骨誘導認めず.③強酸性電解水単独処理骨(pH2.7):28日でも骨誘導認めず. ④超音波/強酸性電解水処理骨:14日で骨誘導認めた.21日では誘導骨領域が拡大した. ⑤未処理骨(新鮮骨):28日でも骨誘導認めず.まとめると超音波/強酸性電解水処理骨のみに骨誘導を認め,他群の骨には28日後でも骨誘導がみられなかった.なお,未処理骨(新鮮骨)は56日(8週)後でも骨誘導がみられなかった. 以上より,緻密骨へ超音波と強酸性電解水のコンビネーション処理した加工骨が骨誘導能が最良であった.これは,超音波のキャビテーション効果による表面積の増加と強酸性電解水による表層から亀裂部のミネラル除去(脱灰)により,骨基質内部からのBMPs徐放が起こり早期骨誘導に貢献したと考える.
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