研究課題/領域番号 |
20K10194
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
有地 淑子 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (60232063)
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研究分担者 |
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
福田 元気 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (20750590)
勝又 明敏 朝日大学, 歯学部, 教授 (30195143)
河合 泰輔 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (30350143)
木瀬 祥貴 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30513197)
小林 馨 鶴見大学, 歯学部, 教授 (50139614)
荒木 和之 昭和大学, 歯学部, 教授 (50184271)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 人工知能 / 画像診断 / 多施設共同研究 |
研究実績の概要 |
本研究は歯科で見落としてはいけない重要疾患を、人工知能の最新技術であるディープラーニングを多施設共同で利用することにより、95%を超えるような高い診断能を有する画像診断支援システムを構築することである。対象は歯周炎、顎骨腫瘍、顎関節症、骨粗鬆症、口腔癌、頸部リンパ節や口腔乾燥症等とする。口腔癌や頸部リンパ節のCT、超音波画像診断の根拠は病理組織学所見に基づく。シェーグレン症候群は診断基準に基づく。顎関節症のCT、MRI診断の根拠は臨床症状あるいは多観察者の診断に基づく。パノラマX線画像診断の根拠はCT、歯科用コーンビームCT、歯内顕微鏡検査あるいは臨床症状に基づく。本研究は歯学部倫理委員会の承認を得て研究に着手している。 ディープラーニングシステムの構築と解析は愛知学院大学、朝日大学および日本歯科大学において行う。汎用性の高いWindows OS、 NVIDIS GPU、Sony neural network consoleより構成されるPCを新規購入した。会議やネット会議で研究打合せを行い、各施設の主たる研究課題、手法の選択、データの収集方法を決定した。愛知学院大学歯学部ではすでにCT、MRI、超音波画像、歯科パノラマX線画像において転移リンパ節、シェーグレン症候群や変形性顎関節症の診断、埋伏歯や歯根破折の検出におけるディープラーニングモデルの作成を行い、その精度を検討した。成果は、数々のシンポジウム、学会発表、論文発表を行っている。 それらの手法を用いて、多施設からデー タを収集し、アルゴリズムの改良を行っている。関節突起骨折、唾石、上顎洞炎および顎関節円板転位の検出と診断の多施設研究は現在論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、多施設共同研究を遂行していく予定である。顎嚢胞/腫瘍、変形性顎関節症、転移リンパ節の検出と診断、埋伏智歯と下顎管の位置関係、埋伏智歯抜歯の難易度、歯科インプラントの種類推定など、対象疾患をひろげ、ディープラーニングモデルの作成を行い、その精度を検討する予定である。 歯科放射線専門医のいない施設や遠隔地における画像診断支援につながるものと期待される。また、研修医 や未熟練の歯科医師への教育効果も期待でき、がんの見落としを防止し、診断や治療方針立案の一助となるものと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額(450,219円)が生じた理由:昨年度コロナ禍で海外出張、国内出張の自粛が求められたため 次年度使用額と2021年度交付額を合わせた使用計画:データ解析のための物品購入、研究打合せ旅費、研究発表旅費や論文作成費用、画像の準備、アノテーション等のための研究補助
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