研究課題/領域番号 |
20K10195
|
研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
窪 寛仁 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70388362)
|
研究分担者 |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20228430)
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90547259)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | エクソソーム |
研究実績の概要 |
顎顔面領域における下顎骨欠損は先天性のほか、外傷、感染、腫瘍の切除によって生じ、これに対して、骨移植や仮骨延長による骨の再建が行われてきた。しかし、侵襲性の点から、今後は細胞を用いた再生医療による安全で確実な骨増生が望まれている。再生医療の三要素である細胞には、純度が高く分化能の高いヒト頬脂肪体由来脱分化脂肪細(DFATs)、シグナル因子は、血管新生作用を有しドラッグデリバリーの役割もかねたDFATsエクソソームを用いる。さらにそれらの担持に適した表面荷電を持つコラーゲンスポンジ足場材料を探索し、ビーグル犬の広域下顎骨骨再生モデルに三要素を移植する、広域下顎骨骨欠損治療のトランスレーショナル研究を行う。 大型動物としての前段階として、ラット脂肪体より採取された脂肪組織を細切し,コラゲナーゼ溶液中処理する。得られた成熟脂肪細胞を培地で完全に満たされたフラスコに播種し,脂肪細胞がフラスコ内側の天井表面に接着するようフラスコの接着面を上方にして,培養した。7日後、培地を除去し,細胞がフラスコ底面に位置するようにフラスコを反対し、通常培養を開始することでラットのDFATsの作製に成功した。培養上清からqEV抽出カラムを用いてエクソソームを抽出した。 メンブレンを使用しているため、EVのサイズは70 nm以下に統一した。 Ev の形態は、脂肪幹細胞(ADSC)と比較して違いはなかった。 この研究では、DFAT と ADSC の間の細胞外小胞における CD マーカー発現による特徴の違いは見つからなかった。本調査結果は、骨組織再生における無細胞治療戦略の開発の実験的基礎を提供する可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養上清から qEV 抽出カラムを用いてエクソソームを抽出でき、形態学的、免疫学的にエクソソームであることを証明できたから。
|
今後の研究の推進方策 |
ラットのDFATsからのエクソソームの抽出は、qEV 細胞外小胞抽出キットとAFC qEV 用自動回収装置を用いる。qEV サイズ分離カラムにはポアサイズ約75nmの樹脂が含まれている。 EVより小さいタンパク質、及びコンタミとなる分子は、樹脂のポアに入りカラム内の通路で遅れ、後のフラクションで溶離する。 抽出したエクソソームを幹細胞に作用させ、骨芽細胞分化能を調べる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスによって、学会発表ができず旅費が使用できなかった。次年度は学会発表を積極的に行い、大学院生への謝金も予定している。
|