ラット鼻呼吸障害回復モデルを作製し、成長期の鼻閉からの回復がもたらす顎顔面骨格の変化、さらには咀嚼筋の筋組成ならびに筋収縮特性の変化を明らかにすることで、その治療最適時期を解明することを目的とした。 4週齢Wistar系雄性ラット42匹を全6群(対照群、1週回復群(以下W1群)、W3群、W5群、W7群、W9群(各群 n=7))に無作為に分け実験を行った。実験群35匹は吸入麻酔後に左鼻孔を縫合し、抜糸により回復した。全ての群を13週齢まで飼育し、屠殺した。実験小動物用パルスオキシメーターを用いて血中酸素飽和度(SpO2)を毎週測定した。 HIF-1αは、肥大細胞層に特異的に発現していた。一方、OPGとRANKLは、肥大細胞層と軟骨下骨との境界で特異的に発現していた。HIF-1α陽性細胞率は、W5、W7およびW9群では、対照群と比較して有意に高かった。HIF-1α陽性細胞率は、肥大細胞層の厚さと有意な負の相関を示した。OPGは、W7およびW9群で有意に減少、一方でRANKLは、W7およびW9群で有意に増加した。RANKL/OPG比は、W7およびW9群で対照群と比較して有意に高かった。SpO2は、HIF-1αおよびRANKL陽性細胞率、ならびにRANKL/OPG比と有意な負の相関を示した一方で、OPG陽性細胞率とは有意な正の相関を示した。 咬筋と側頭筋の筋断面積はW5群以降は鼻閉回復後も有意に減少した。ATPase染色において、MHC-2b線維の割合は、咬筋でW7群以降の回復で、側頭筋ではW9群で有意に減少した。PCRの結果、咬筋ではTNFaはW7群以降の回復で有意に増加、GLUT4はW9群で有意に減少、nNOSはW9群で有意に増加した。また、側頭筋においてはTNFaはW9群で有意に増加、GLUT4はW9群で有意に減少、nNOSはW9群で有意に増加した。
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