研究課題/領域番号 |
20K10201
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
秋山 茂久 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (00283797)
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研究分担者 |
加藤 隆史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50367520)
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70362689)
吉田 篤 宝塚医療大学, 保健医療学部, 特別教授 (90201855)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 歯科スプリント / チック / トゥレット症候群 / QOL / 前駆衝動 |
研究実績の概要 |
多種類の運動チックと一つ以上の音声チックが1年以上にわたり続くTourette(トゥレット)症候群では,ときに症状の長期化,重篤化により社会生活の困難を極める.これまで咬合挙上スプリントによりTourette症候群の7割以上で,チックが軽減することを明らかにしてきたが,その仕組みや社会生活の改善への効果はよく分かっていない.本研究では,Tourette症候群のある人で,スプリント装着によるチックの出現への影響を再検証するとともに,チックの出現に関連にする前駆衝動にどう影響するか,また社会生活(QOL)にどのように影響をするのかを調査した. 調査対象はスプリントを装着したトゥレット症候群の30名であった.調査項目はスプリント装着前後のTSSR(Tic Symptom Self Report)チック症状自己記録:チック重症度の主観的指標),YGTSS(Yale Global Tic Severity Scale:チック重症度の客観指標),SF-12(QOL評価),PUTS(Premonitory Urge for Tics Scal:前駆衝動評価)値であった.その結果,TSSR,YGTSS,SF-12についてスプリント装着後に改善をみとめたものが多く,PUTSについては変化を認めたものはほとんどいなかった. 以上のことから,咬合挙上スプリントは,すべてのチック症状を改善するわけではないが,一部の人では症状の改善あるいはQOLの改善に寄与することが示唆された.これらにより,チックにより社会生活に困難を極める人々の症状を緩和させ,生きづらさや社会生活の困難さを改善させるための対処法のひとつとして,スプリントを活用することの意義が示された.
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