研究課題/領域番号 |
20K10218
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
及川 崇 鶴見大学, 歯学部, 講師 (60386919)
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研究分担者 |
菅崎 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (30333826)
千葉 伸太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40236815)
友成 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70398288)
須藤 智省 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (80782680) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 閉塞性睡眠時無呼吸 / 外科的矯正治療 / うつ病 / 持続的陽圧呼吸療法 / oral appliance |
研究実績の概要 |
現在、成人のOSA治療としてCPAP(持続的陽圧呼吸)療法や口腔内装置(oralappliance:OA)、外科的矯正治療がおこなわれているが、これらの治療法がOSA患者のうつ症状へ与える効果については未だ明らかになっていない。本研究は、うつ病を伴う成人のOSA患者に対して、CPAPやOA、外科的矯正治療をおこなった場合のOSAの改善とその関連疾患であるうつ病などの精神障害の改善および高次脳機能への影響を、それぞれの治療法において検証することを目的としている。 本年度は鶴見大学歯学部附属病院矯正科を受診した成人患者のうち、外科的矯正治療を目的に来院された患者にピッツバーグ睡眠質問票で6点以上の患者に簡易PSG検査器を渡し、成人閉塞性無呼吸症診断を基準(AHI5以上)に基づきおこない、睡眠呼吸障害を有する患者を選定した。また、抑うつ状態のスクリーニングを自己評価尺度であるBeck Depression Inventory(BDI:ベックうつ病調査表)を用いておこない、外科的矯正治療群の被験者8名を確保した。矯正診断用資料として顔面・口腔内写真、パノラマX線写真と頭部X線規格写真、口腔模型を用いて、上下顎骨と顔貌および咬合状態の精査をおこない、併せて下顎運動、咀嚼筋活動、咬合力と咬合接触面積検査、咀嚼能率検査などの顎口腔機能検査と顎関節部のMRI画像撮影を用いて精査した。8名については高次脳機能の評価としてNIRSを用いて脳血流動態の測定をおこない前頭前野の16領域について計測した。また、ピッツバーグ睡眠質問票で5点以下でBDI10以下の患者をコントロール群として2名確保した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年まで新型コロナウイルスの影響で、附属病院の患者の研究への参加に対する同意がなかなか得られず、当初予定していた患者数が確保できなかった。本年終盤から被験者の同意を得られるようになりN数が増えてきているが、まだまだ足りない状況である。 また、患者に貸し出すため返却までに時間がかかり、次の患者に貸すことができなかったが、本年度もう一台簡易PSG検査器を購入したので、その後は円滑にデータ採得が行えている。次年度で必要な被験者数を確保しようと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
簡易PSG検査器を用いたOSA患者のスクリーニングをこのまま積極的におこない、初診患者の数を増やしていくことを考えている。また、研究開始当初の患者は外科手術が終了してくるので手術後のAHIやBDIの数値の変化を確認し、外科手術の効果を検証していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた患者数が確保できず、実験が遅れており、計画していた海外の学会での発表や論文執筆などが出来ていないため当初の予定していた使用額と相違が出てしまった。本年度は海外学術雑誌投稿料として使用する計画である。
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