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2020 年度 実施状況報告書

歯髄幹細胞を用いた新規外傷治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K10239
研究機関愛知学院大学

研究代表者

石坂 亮  愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00705197)

研究分担者 林 勇輝  愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10756547)
庵原 耕一郎  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 幹細胞再生医療研究部, 室長 (60435865)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード再生歯科医療 / 細胞遊走因子 / 幹細胞
研究実績の概要

申請者らは歯髄・象牙質再生における最適な細胞源と歯髄・象牙質再生誘導因子の検索を行ってきた。しかし、外傷による障害は、受傷歯はもちろん、歯槽骨を含む歯周組織にまで広範に起こっているため、歯髄・象牙質再生を目的とした再生歯内療法だけでは対応できず、外傷後の歯髄象牙質複合体、歯周組織、歯槽骨を含む複合的な再生療法の開発が急務であると言える。また、申請者らは未分化な幹細胞とその培養上清を使用した検討を行っている。一方、未分化な幹細胞の移植より分化させた細胞の移植の方が高い骨再生能をもつと報告されている。そこで、重力制御培養下では同一の細胞から安定して未分化・分化細胞を得ることが可能であるため、外傷後の組織それぞれに対する再生治療に適正な細胞源と分化度の検索を行い、さらにその結果の比較から歯槽骨再生誘導因子の同定を目的に本研究を行う。ラット臼歯部を抜歯し歯髄組織を、大腿骨より骨髄組織を、皮下脂肪より脂肪組織を回収する。それらの組織から酵素消化法にて歯髄・骨髄・脂肪幹細胞を分離し、その増殖能、遊走能、表面抗原マーカー発現(CD44/CD105)にて形質確認を行った。いずれの評価項目でも歯髄幹細胞が最も良好な結果を示した。また、血管・骨・脂肪誘導にて多分化能の確認を行った。いずれも確認でき、血管誘導能は歯髄が、骨誘導能と脂肪誘導能は脂肪が優れていた。また、歯髄幹細胞において、微小重力での培養を行い、同様の項目にて形質評価を行った。その結果、明らかな差は見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に計画していた同一個体由来歯髄・骨髄・脂肪幹細胞の樹立は行うことができた。また、重力制御培養では幹細胞の増殖能、遊走能、表面抗原マーカー発現に明らかな差は見られなかったものの、微小重力環境および過重力環境において、いずれの幹細胞も剥離等なく順調に培養できた。しかし、年度の後半からプラスチック器具が手に入りにくくなったため、研究が遅延した。

今後の研究の推進方策

一回の培養に用いる培地量およびプラスチック器具が削減できる方法を検索する。また、培養期間を変更し、増殖能、遊走能、表面抗原マーカー発現に差が生じる条件を検討する。さらに遺伝子的な変化も検討する。血管や骨の特異的マーカーだけでなく、その発現に至るまでのシグナル経路にも着目し、その量的比較を経時的に行う。また、並行して、外傷評価のための動物実験モデルを作成する。

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公開日: 2021-12-27  

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