研究課題/領域番号 |
20K10239
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
石坂 亮 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (00705197)
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研究分担者 |
林 勇輝 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10756547)
庵原 耕一郎 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 幹細胞再生医療研究部, 室長 (60435865)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 再生歯科医療 / 細胞遊走因子 / 微小環境 |
研究実績の概要 |
生体内相互作用の再現が多組織を複合的に再生するには必要であるが、そのメカニズムを検討するには、生体での物理的、化学的微小環境の再現をしなければならない。申請者らも昨年度、歯髄幹細胞を過重力環境にて石灰化誘導したところ、Wnt, periostinの顕著な変化が見られた。また、異所性移植は歯髄再生と歯根膜再生を同時に評価できるため、再生組織間における生体内相互作用メカニズム解析が簡便に可能である。そのため、今年度はwntおよびperiotinに着目し生体内相互作用の初期検討を行った。 歯髄の再生量は、3日目と7日目の間には有意な差は認められなかった。加えて、7日目、14日目、21日目の再生量は日数経過により増加傾向が認められた。再生歯根膜の厚さは、3日目と7日目、7日目と14日目の間には優位な差が認められなかった。加えて、7日目、14日目、21日目の再生量は日数経過により増加傾向が認められた。また、歯髄再生量と再生歯根膜厚さは正の相関関係を示した。再生歯髄内のWnt10a陽性率は、7日目にピークを迎え、14日目で減少していた。28日目には再度増加していたものの7日目よりも有意に低かった。再生歯根膜内のWnt10a陽性率は、3日目と比較して7日目、14日目、21日目は有意に増加が認められた。7日目、14日目、21日目の間には有意な差が認められなかった。再生歯髄内のWnt10a遺伝子発現は、14日目にピークを迎え、21日目で減少していた。DSPP遺伝子発現は、7日目と14日目の間に優位な差は認められなかったが、21日目に有意に上昇した。Periostin遺伝子発現は、14日目に減少、21日目で上昇した。21日目のPeriostin 遺伝子発現は7日目と有意な差は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
微小重力環境での結果が、想定していたものと大きく異なり、研究計画の修正が必要となったため。修正後は上記のした通り、より具体的な因子としてWnt, periostinに着目することとしたため。
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今後の研究の推進方策 |
相互作用の再現が多組織を複合的に再生するには必要であるが、そのメカニズムを検討するには、生体での物理的、化学的微小環境の再現をしなければならない。3次元培養を始めとしてin vitroでの再現、評価法が取り組まれているが、in vitroの評価のみで再生組織における生体内での直接的な関与を明らかにできないため、その報告は少ない。異所性移植は歯髄再生と歯根膜再生を同時に評価できるため、再生組織間における生体内相互作用メカニズム解析が簡便に可能であるため、本研究で生体内相互作用の初期検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に納品予定であったデータ管理・ソフト制御用のPCの納入期限がずれ込み2022年度になったため。
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