研究課題/領域番号 |
20K10240
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
松本 尚之 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70199884)
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研究分担者 |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20228430)
本津 茂樹 近畿大学, 生物理工学部, 名誉教授 (40157102)
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90547259)
陳 麗吉 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (20966816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ハイドロキシアパタイト |
研究実績の概要 |
大きな顎裂を伴う唇顎口蓋裂は、顎裂部への二次的新鮮自家腸骨海綿骨移植が行われてきた.一方で,臨床の現場で自家骨は早期に吸収してしまい長期効果がみられないとの報告もある.また,唇顎口蓋裂のような複雑な裂形態では高い靭性と骨伝導性を有する足場材料が望ましい. インプラント埋入初期時にはマクロファージはM1型とM2型の2種に分極化されるが,M2型は炎症を抑制し,骨形成を誘導することが知られるとともに,ハイドロキシアパタイト(HAp) はM2型マクロファージの分極化を促進すると考えられている.これまで,Er:YAGレーザーデポジション(Er:YAGPLD)法を発案し,種々の材料上へのHAp薄膜の作製を試みてきた.そこで本研究では,純チタンの板およびスクリュー上にEr:YAG-PLD法により形成されたHAp膜が,M2マクロファージの分極化,インプラント埋入周囲組織に与える影響をin vitro, in vivo両面から評価した. 表面解析の結果より,走査型電子顕微鏡画像において実験群の材料表面にHApと推測される針状の結晶構造が認められた.X線回折の解析結果から,HApの結晶構造をもつ薄膜が純チタン金属表面に形成されていることが示された.また,HAp膜を純チタン金属上にコーティングすることによって,インプラント埋入周囲組織のM2マクロファージの分極化,硬組織分化誘導能および新生骨の形成を向上させることがin vitro, in vivo両面から明らかとなった.
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