生活地域が異なる新潟県居住者(JPN)と大陸居住者(PRK)の口腔内の特徴および歯や骨に蓄積する酸素安定同位体比の違いを明らかし、酸素安定同位体比が身元不明者の生活地域を推定する方法として有用であるか検討を行った。歯科疾患罹患状況の調査から、JPNに比べてPRKではう蝕罹患率が低く歯の治療痕が見られないこと、歯の咬耗が進んでいることが明らかとなった。また両者の歯エナメル質の酸素安定同位体比は異なる値を示した。これらの違いは両者の生活環境が異なることを示しており、酸素安定同位体比から両者を生活地域に基づいて明確に分けることが可能であることが示唆された。
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