研究分担者 |
菅井 基行 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, センター長 (10201568)
太田 耕司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20335681)
梶原 俊毅 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (40816948)
吉田 光由 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50284211)
鹿山 鎭男 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 室長 (50432761)
津賀 一弘 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60217289)
大毛 宏喜 広島大学, 病院(医), 教授 (70379874)
小松澤 均 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90253088) [辞退]
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研究実績の概要 |
某介護医療院へ入院する要介護4・5(138名)の者を対象に,下記を実施した. 1)横断調査 57名の協力を得た(90歳以上18名,男性7名).口腔内に薬剤耐性菌を認めた者は29名(50.9%)であり,グラム陰性耐性菌(GN-ARB)が21名から,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は17名から検出された.GN-ARBとMRSAいずれもが確認できた者は10名であった.一方,便からGN-ARBを認めた者は44名だったがMRSAは検出されなかった.GN-ARBが口腔からも便からも両方検出された者は18名であった.ESBL耐性菌は口腔からが11名,便からが34名より検出された.P. aerginosaは口腔から5名,便から15名より検出された.口腔と便から検出されたGN-ARBの詳細は,口腔からはA. ursingii, P. aeruginosa, S. maltophiliaが分離され,便からはE. coliとP. aeruginosaが分離された.非経口摂取者から有意に多くの口腔内耐性菌が検出され(オッズ比18.5,95%信頼区間4.419‐77.604,P<0.0001),ロジスティック回帰分析より,非経口摂取が有意に独立した因子であることが判明した. 2)介入調査 23名(90歳以上5名,男性2名)の協力を得た.8週間,週1回の歯科医師と歯科衛生士による専門的口腔衛生管理を実施した.介入期間の直前,直後,終了から半年後と1年後に保菌調査を行った.23名中16名は介入前から口腔内にGN-ARBを保菌していた.専門的口腔衛生管理を行っても口腔内耐性菌(GN-ARB,MRSAを含む黄色ブドウ球菌)は保菌状態のままであった.したがって,口腔内耐性菌の感染予防が重要であることが判明した.
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