研究課題/領域番号 |
20K10249
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田中 景子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (40341432)
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研究分担者 |
三宅 吉博 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50330246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 前向きコーホート研究 / 中高年 / 歯周疾患 / 舌圧 / 口腔機能 / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
本研究では、愛媛県内の中高齢者を対象として実施している「愛大コーホート研究」参加者のデータを活用し、歯周病をはじめとする口腔疾患や、嚥下機能、舌圧といった口腔機能の低下と関連のある要因を探索する。同時に、これらの口腔疾患や機能低下が、全身の健康に及ぼす影響についてエビデンスを蓄積する。 2021年度は、愛大コーホート研究のベースライン調査を継続し、参加者の拡大に努めた。具体的には、松前町、伊予市、久万高原町、砥部町の住民、および市職員(西予市、伊予市、内子町、上島町)、企業1社に、ご協力頂いた。ベースライン調査では、質問調査票(約70ページ)を用いて、生活習慣・生活環境に関する広範囲な情報を得ている。この質問調査票への回答は、WEBでも回答できる環境を整えた。質問調査票へ回答後、研究用健診を実施して、認知機能検査、体力測定等に加え、口腔内診査を実施して、歯科に関する客観的な情報を得た。最終的に、2022年末時点で、愛大コーホート研究のベースライン調査参加者は、9482名となった。 2020年度までのベースライン調査参加者に、追跡調査を実施し、疾患の新規発症、転帰、服薬状況についての情報を得た。 2016年度にベースライン調査を実施した、内子町の住民を対象に5年目の追跡調査を実施した。質問調査票(約50ページ)による情報収集に加え、保健センターと公民館で研究用健診も実施し、面接による認知機能検査、体力測定、口腔内診査等、客観的な情報を収集した。 2015年度及び2016年度にベースライン調査を実施した八幡浜市と内子町のデータを活用し、舌圧と軽度認知機能障害との関連について解析した。女性では、舌圧と軽度認知機能障害との間には、統計学的に有意な負の量-反応関係を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、2020年度末で、ベースライン調査のリクルートを終了する予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大により、愛大コーホート研究の参加者をリクルートする場である市町が実施する集団健診の中止が続いたり、実施されたとしても、リクルートのために派遣できる調査スタッフの人数の制限があったりしたことで、コーホート研究参加者のリクルートが困難であった。そのため、ベースライン調査を1年延長することとし、2021年度もベースライン調査を継続した。2021年度の新規参加者は800名弱であり、2021年度末でベースライン調査参加者は、合計9482名となった。1万人を目指し、次年度もベースライン調査を継続することとする。研究用健診については、2021年度の未実施分について、2022年度早々に、実施する予定である。 2021年度に予定していた、内子町住民を対象とした5年目の追跡調査は、計画通り実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、2021年度に実施できなかったベースライン調査の研究用健診の振替を設定し、2022年6月までに、研究用健診を終了する。 調査参加者1万人を目指し、2022年度もベースライン調査を継続し、対象者の拡大を図る。2021年度に、自治体の実施する集団健診での対象者リクルートが予定通りに実施できなかった2自治体では、2022年度も継続してリクルート活動をすることで了解を得ている。また、大学の社会連携部門を通じて、県内の複数の企業にも協力を依頼している。 2022年度は、愛南町、西予市、1企業で5年目の追跡調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
自治体の集団健診でのリクルート活動が計画を下回ったため支出が減ったが、次年度、継続してリクルート活動を実施する了解を自治体から得ており、本リクルート活動に使用する。
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