研究課題/領域番号 |
20K10260
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
島津 篤 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (10274094)
|
研究分担者 |
峯 裕一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 講師 (60605989)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | フッ化物 / う蝕予防剤 / 根面う蝕 |
研究成果の概要 |
歯の喪失は、口腔機能の維持だけでなく健康寿命の延伸にも関連し、我が国では高齢者における残存歯数の増加傾向がみられるが、歯周疾患などによって歯根が露出していることが多く、露出した歯根はう蝕リスクが高く、根面う蝕は高齢者が歯を喪失する原因の一つとなっている。 申請者は、露出した歯根に対するう蝕予防剤の開発を試み、中性で従来製品の半分の濃度(4,500 ppm)のフッ素濃度で、歯根に塗布すると、従来製品以上のフッ素を含む厚い被膜を形成する条件を見出した。この被膜は、酸性溶液中での浸漬に対しても酸抵抗性を保有し、根面う蝕の予防剤として有望であることが判明した。
|
自由記述の分野 |
予防歯科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者の根面う蝕の予防処置としてフッ化ジアンミン銀の有効性が国内外で再評価されている。しかし銀の沈着による歯の変色という審美上の問題が懸念され、塗布には症例の選択が必要となる。またポリマーを含んだ知覚過敏治療剤やレジンを含んだ表面滑沢剤の塗布は、素材による歯肉や歯周組織への為害作用が懸念される。 本研究課題のう蝕予防剤の象牙質表面への処置は、象牙細管の開口部を覆う不溶性物質を形成し、酸に対して物理的なバリアとして機能するだけでなく、この不溶性物質はフッ素やカルシウムを含み、口腔内環境において、フッ素イオンやカルシウムイオンの供給源として機能し、歯質の再石灰化を促進する可能性も高い。
|