研究課題/領域番号 |
20K10276
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
布施 恵 (長井恵) 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (30343578)
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研究分担者 |
中島 光 (藤田光) 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (00147737)
楠瀬 隆生 (桑田隆生) 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10398852)
瀧澤 智美 (橋爪智美) 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50419785)
田口 千恵子 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (80434091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ポリ乳酸 / εカプロラクトン / アルカリ加水分解 / カルボキシル基 / アパタイト |
研究実績の概要 |
作製したPLCL50フィルムおよびPLCL50-COOHフィルムについて各表面に対する純水の接触角を測定した。アルカリ処理によるカルボキシル基を導入したPLCL50-COOHフィルムはしないPLCL50と比べて有意に接触角の低下が認められた(p<0.05) 。 PLCL50およびPLCL50-COOHフィルムを疑似体液に浸漬すると,アパタイトの形成が認められた.浸漬3,7日のフィルム表面の電子顕微鏡像(SEM)の観察では,PLCL50-COOHはPLCL50 よりも大きな粒状の沈着物が多くみられた。浸漬14,28日のフィルム表面のPLCL50-COOHとPLCL50フィルムで明確な差は認められなかった。浸漬28日の断面のSEM観察では,PLCL50-COOHフィルムはPLCL50フィルムよりも結晶沈殿物の層が厚くアパタイト層が形成している様子が見られた。アパタイトの形成速度は,PLCL50フィルム表面の化学的特性に依存し,PLCL50へのカルボキシル基の導入は,アパタイトの形成速度を促進することが明らかとなった。 リン酸塩緩衝液(PBS)中でのフィルムの分解挙動では,浸漬初期においては,PLCL50-COOHフィルムおよびPLCLフィルムは表面のアルカリ処理によりフィルム内部の分解性に影響があることが示唆された。浸漬35 日では,PLCL50-COOHとPLCL50では,PLCL50-COOHの方が,PLCL50より重量の低下が大きい傾向が見られた(p>0.05)。 PLCL50表面にカルボキシル基を導入すると,PLCL50フィルムの分解を加速する傾向を示すことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
PLAとPCLの比率の異なるPLCL共重合体PLCLフィルムのPLCLフィルム(95:5(PLCL5) ,90:10(PLCL10),50:50(PLCL50))にアルカリ処理を施し,各種PLCLフィルム表面にカルボキシル基を導入後,全反射フーリエ変換赤外分光 (FTIR―ATR)よるフィルム表面の分子構造の分析をする予定であったができなかった。PLCL50フィルムのPBS浸漬実験によるフィルムの分解性と疑似体液浸漬試験によるアパタイトの沈着状況を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
PLAとPCLの比率の異なるPLCL共重合体PLCLフィルムを作製する。これにより物性や分解性が多様化できる。各種比率の異なるPLCLフィルム(95:5(PLCL5) ,90:10(PLCL10),50:50(PLCL50))にアルカリ処理を施し,PLCLフィルム表面にカルボキシル基を導入後,細胞接着タンパクであるフィブロネクチン,コラーゲンを固定化する。評価は全反射フーリエ変換赤外分光 (FTIR―ATR)よるフィルム表面の分子構造の分析をする。タンパク質の固定化の確認と細胞の形態観察を行う。
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