研究課題/領域番号 |
20K10284
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
金森 大輔 藤田医科大学, 医学部, 講師 (70586289)
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研究分担者 |
加賀谷 斉 藤田医科大学, 医学部, 客員教授 (40282181)
稲本 陽子 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (70612547)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 嚥下CT / 舌接触補助床 / 3Dプリンター / 機能評価 |
研究実績の概要 |
320列面検出型CTを用いることで、3次元に時間軸を組み合わせた摂食嚥下運動の過程を検討できるようになった。しかしながら、従来の嚥下CT評価では同一CT値の物質が接触する部位においてその境界を知るのが困難な状態であった。我々は従来の嚥下CT検査に加え口腔の粘膜面造影をおこなう事で、舌と口蓋の境界を鮮明にすることを可能とさせた。この撮影手技により口腔期の検討をすることが可能となった。摂食嚥下障害患者では口腔期の障害により適切に食塊形成ができず,舌による送り込み不全が起きる。このような患者の治療には口腔内補装具のひとつである舌接触補助床を作製しリハビリリテーションを実施するが,その作製・調整過程は多くの部分を経験にたよっている。また作製過程でワックスなどを用い仮調整するが最終補綴物に置き換えるさいに、補綴物に歪みができることも多い。本研究では嚥下CTで得られるデータを用いて舌接触補助床の作製手順について検討した。はじめに口蓋高はワックスを用い調整した。調整は嚥下や構音を多職種で確認しながら行った。その後の嚥下CT撮影時に舌や口蓋の境界が明確になるように粘膜面造影を行い、嚥下評価を行った。撮影されたデータから3D模型を作製し、アンダーカットをブロックアウト後、模型に対して1mmの義歯床用熱可塑性レジンで圧接を行った。義歯床用熱可塑性レジンの辺縁をトリミング後、咬合面は下顎の残存歯とPAPで接触しないように調整し、粘膜面は常温重合レジンにて適合させ舌接触補助床を作製した。CT撮影後から舌接触補助床作製までに6時間程度かかっており、今後はより短時間で作製できるように検討する必要がある。この方法により機能評価後、容易に舌接触補助床の作製ができる。また開口制限がある場合であっても歪みの少ない舌接触補助床の作製が可能となる。
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