研究課題/領域番号 |
20K10293
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 拓朗 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (60868785)
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研究分担者 |
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (20509591)
竹内 研時 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (10712680)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50546471)
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | う蝕 / コチニン / 受動喫煙 |
研究実績の概要 |
本研究は幼児・学童を対象として唾液中のコチニン濃度を測定し、受動喫煙とう蝕罹患の関係をコホート研究で検討し、さらに歯科健診を受診した子どもの保護者に対して禁煙指導を行い、喫煙行動の変化を評価することを目的としている。当初は乳幼児健診で禁煙指導を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い中止し、受動喫煙とう蝕罹患の関係について解析を進めることにした。過去に学校歯科健診で採取した唾液試料を用いて、コチニン濃度を測定し、横断研究と縦断研究でう蝕とコチニン濃度の関連性を評価した。 横断研究では、学校歯科健康診断を受診した小学校1年生92名を対象とし、唾液中コチニン濃度はELISA法にて測定し、受動喫煙状況、う蝕経験歯数との関連を検討した。唾液中コチニン濃度は、両親喫煙、母親のみ喫煙と回答した者において有意に高かった。う蝕経験歯数を従属変数として負の二項分布モデルで解析した結果、う蝕経験歯数とコチニン濃度に関連性がみられた。 縦断研究では、小学6年生75人を分析対象にして3年間のう蝕発症との関連性を検討した。マルチレベルコックス回帰分析で、間食回数、歯科医院への定期受診、フッ化物配合歯磨剤の使用、Dentocult SMスコア(mutans streptococciのレベル)、歯種(前歯・小臼歯、第一・二大臼歯)、歯列(上下顎)で調整した結果、唾液中のコチニン濃度が高いと3年間にう蝕を発生している傾向が認められた。本研究では、学童において、唾液中のコチニン濃度はう蝕と関連することが示唆された。
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