研究課題/領域番号 |
20K10313
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
関 陽一 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 助教 (30757828)
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研究分担者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / パニック症 / 認知行動療法携帯アプリ / ランダム化比較試験 / 医療経済評価 / QALYs |
研究実績の概要 |
研究代表者の「薬物治療後も症状が残るパニック症に対するテレビ電話を用いた遠隔での認知行動療法のランダム化比較試験」(UMIN試験ID:000029987)」に おいてパニック症に対するオンライン認知行動療法の有効性が明らかにすることができたことから、認知行動療法がより受療しやすくなることに道筋ができた。 一方で、費用の面では認知行動療法の多くは自費での受療がほとんどであり、費用の高さが受療のハードルの高さになっている問題がある。そこで本研究は、パ ニック症患者に対し、本邦ではまだ開発されていない、患者がスマートフォンなどで手軽に利用できるパニック症の認知行動療法携帯アプリをe-leaningの形式 で活用することで重症化の防止、さらに医療費の効率化及び患者の費用負担軽減につながること考え、待機群を対象群としたランダム化比較試験により明らかに することを目的とした。初年度(2020年度)は、既に仕組みができていた携帯アプリのモニターを行い、内容の改善に反映させた。2年目(2021年度)はさらに利用のしやすさを念頭に、研究代表者が作成に携わった厚労省のマニュアルの内容を十分に反映できるように修正を加えた。修正内容が多岐にわたり、この携帯ア プリの内容の改善がセッション数の変更など仕組みを大幅に変更を要するものとなった。3年目(2022年度)はそれらの変更によるの試し運用を施し、4年目(2023年度)は当大学の臨床試験部と内容を再検討し、医療機器としてのアプリを目指す方向となっている。そのため、できるだけ実際の臨床場面と同様の内容が必要と変更が必要となり、当初計画より時間を要した。具体的には利用者がアプリに入力した内容に対する適切なフィードバックが必要になっている。まだ開始前の段階であるが、今後速やかに、臨床研究倫理審査委員会へ研究計画書を提出すべく、当大学の臨床試験部とさらに検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度中に臨床研究倫理審査委員会による承認を得て開始する予定であったが、医療機器を目指す方向となり、携帯アプリの内容の修正に予定以上に時間を要した。またあわせモニターの遅れ、さらに研究計画の再修正なども時間を要した。 具体的には対面式の認知行動療法とアプリの最も大きな違いである、医療者とのやりとりの有無の点であり、利用者が自分でアプリに入力した内容に対する適切なフィードバックが必要になっている。各12セッションで設定しているホームワークの入力内容に対するフィードバックであるが、できるだけ多くのパターンに対する返答が必要になっている。これらの理由ににより、当初計画より遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は速やかに臨床試験部と共同で作業を進めたうえで、臨床研究倫理審査委員会での承認を得て、試験を開始する予定である。承認後、速やかに被験者のリクルートを開始する。リクルートはデータ調査会社のシステムを利用する予定である。並行して携帯アプリの内容の修正も継続し、試験開始時までに修正を完了する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度中に研究を開始し、リクルートのためのデータ調査会社の利用料、研究参加者への謝金も発生する予定だったが、研究の遅れにより、開始に至っていないため費用が発生しなかった。2024年度は研究開始に伴う、上記諸費用が発生する予定である。
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