研究課題/領域番号 |
20K10315
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
分田 貴子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80723395)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 外見ケア / がん患者 / QOL |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、将来的に「がん患者における、外見ケアによる治療予後の改善」を示すことを目指し、「外見ケアによる治療意欲の向上」を検証することである。2019年度まで開催してきた「ボランティアによる院内外見ケアサービス」の場を利用し、外見ケアを受けたがん患者群と受けない群での、質問紙による前向き比較研究を計画していた。2020年度に予備調査を行い、本調査を計画する予定であったが、新型コロナウィルスの影響により、外見ケアサービスの提供が不可能となったため、予備調査を実施できず、2021年度も本調査計画の立案に至らなかった。 2020年度に行ったウィッグ業者や美容師らへのインタビューでは、「コロナ禍でも、外見ケアへのニーズは変わらず存在しており、現状では、患者に必要なケアをいかに届けるかが重要である」ことが示された。これを受け、2021年度、当院がん相談支援センターへの外見ケアに関する相談件数をまとめてみると、1年間の総面談件数のうち、外見ケアに関する相談は34.0%であり、がん患者の外見ケアへのニーズは軽減していないことが明らかとなった。 また、コロナ状況下でも可能なサービスとして、外見ケアに関するオンラインセミナーを複数回開催し、オンラインでも外見ケアの知識を提供できる可能性とともに、遠方や外出困難な患者へのメリットなどを示すことができた。 がん患者の外見ケアへのニーズを再認識し、今後、コロナの状況に応じて、オンラインも交えつつ、外見ケアサービスをどのように提供していくべきかを検討する契機となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響により、院内でのボランティア活動が中止となり、研究計画として予定していたボランティアによる外見ケアサービスを、患者に提供することが不可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの影響により、院内でのボランティア活動が中止となっている間は、予定していた研究計画を遂行することは困難である。当院のがん相談支援センターへ外見ケアに関する相談に来る患者が増加していることを受け、これらの患者を対象とした調査に変更する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由)新型コロナウィルスの影響により、院内でのボランティア活動が中止となり、ボランティアによる外見ケアサービスを、患者に提供することができず、2020年度に計画予定していた予備調査が、2021年度も実施できなかったため。 使用計画)当院のがん相談支援センターへ外見ケアに関する相談に来た患者を対象とした、聞き取り並びにアンケート調査を行う。
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