研究課題/領域番号 |
20K10323
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
池田 徳典 崇城大学, 薬学部, 准教授 (00613530)
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研究分担者 |
山ノ内 祥訓 熊本大学, 病院, 病院教員 (40772348)
近本 亮 熊本大学, 病院, 教授 (10419640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 転倒転落アルゴリズム |
研究実績の概要 |
入院患者の転倒転落事故状況は、病院の質を評価する重要な安全管理の指標である。そのため、ほとんどの病院では入院患者の状態をスコア化し、積算した合計得点によって転倒転落の危険度を3段階に分類した上で、危険度に応じた予防対策を行っている。しかしながら、このスコア方式は症候等の患者情報を各々独立であると仮定しており、個々の患者が本来有するはずの各症候同士の相関関係を無視している。また、同じ危険度であっても個々の患者では症候の組み合わせが異なるため、危険度で分類するよりも症候の組み合わせを重視した上で転倒転落の危険性を予測し、予防策を検討した方が望ましい。そこで本研究ではスコア方式とは異なり、医学的見地と統計学的見地とを融合させ、患者情報 (病態や症候、既往)の組み合わせを考慮した最適な転倒転落アセスメントアルゴリズムを確立させる。 我々は過去2年間分の熊本大学病院に入院した患者の転倒転落アセスメントシート情報及び年齢や性別等の一般的な患者情報を電子カルテ上からプログラムを用いて収集し、データファイルの作成を行った。次に統計解析専用のデータファイル (データセット)と、データセット定義書の作成を研究代表者及び研究分担者で行った。次に、研究代表者が取得したデータをアルゴリズム構築用と検証用データに2分割し、アルゴリズム構築用データから医学的知見をベースとした上で、統計モデルに基づいた転倒転落アセスメントアルゴリズムを構築した。また検証用データで構築したアルゴリズムの妥当性について評価を行い、その妥当性が得られた。以上の結果を論文に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
転倒転落アセスメントアルゴリズムを構築し、論文として発表することが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
構築した転倒転落アルゴリズムをベースとしたweb applicationを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染流行のため、研究に付随した学会発表などの出張が出来なくなったことから、昨年度に引き続き今年度も未使用額が生じた。次年度もCOVID-19の影響を受ける可能性があるが、成果として転倒転落アルゴリズムを構築出来ており、構築した転倒転落アルゴリズムをベースとしたweb applicationを作成する。
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