研究課題/領域番号 |
20K10326
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
齋藤 祐樹 群馬パース大学, 医療技術学部放射線学科, 准教授 (00849341)
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研究分担者 |
根岸 徹 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (00259144)
小倉 泉 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (50204160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 半導体線量計 / 診断用X線装置 / Bluetooth / Web Bluetooth API |
研究実績の概要 |
昨年度、ESP32の動作範囲を確認し、60 kV以下は検出すことはできなかった。この原因としてESP32の無線機から発生するノイズが原因と考えている。よって今年度は空気カーマ率の測定範囲(感度)を上げるためにノイズ削減を目標に回路設計を見直し取り組んできた。ノイズ低減をさせるためにX線検出部のフォトダイオードとOPアンプで構成されるアナログ回路とESP32-DevKitCからなるデジタル回路の電源を切り離し、ノイズ対策を行った。また、OPアンプにバイパスコンデンサ(1000 pF)を付加し、電圧増幅度を20倍にしてESP32へ入力できる電圧範囲まで広げることにした。その結果、倍率を上げているため、バイアス電圧が100 mVから210 mVまで増大しているが最大線量率である120 kV 400 mA 50 msの条件で1.5 Vから3 V程度まで拡張することができ、線量率は5930 uGy/s~543000 uGy/sまで増大した。しかし、電離箱線量計との誤差が±10 %を超えることもあり、校正場の環境構築を再度、確認し取り組む必要がある。 一方、臨床的な意義を評価するために受信距離を変えてRSSI(Received Signal Strength Indicator)および受信時間を測定した。開発当初は金属の躯体で測定器を作成していたが、検査室ドアを閉じた状態では8 m以上は通信ができないことや、受信時間が2分以上要することもあり、使用範囲は5 m程度を想定した。しかし、プラスチックの躯体に変更したら12 mまでドアの開閉に関係なく信号を受信でき、受信時間も大なばな遅れは感じられなかった。これより、Bluetoothデバイスを使用した場合はプラスチック製の外囲器で加工しなければならないことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Bluetooth対応簡易形線量計の開発において、測定器回路開発およびWeb Bluetooth APIによる表示プログラムの開発が順調に行われ、その経過を学会で発表を行った。早期の論文化に向けて、X線装置の管電圧波形と今回開発している簡易形測定器の電離電圧波形の比較が必要であるため、令和4年度に計上していた物品費で購入予定である直接接続形管電圧管電流計の購入を予定していたが、昨今の半導体不足によりメーカーから納品ができないとの連絡があった。そのため、最終試験であるBluetooth対応簡易形線量計の運用評価として、Javascript Chart線量波形と管電圧波形を比較ができていない。今年度の夏くらいには納品することが可能とのことである。この試験で両者の相関が取れれば管電圧の精度を線量計波形から評価できるため臨床的意義は大きい。
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今後の研究の推進方策 |
目的としているBluetooth対応簡易形線量計および表示部のWeb Bluetooth APIのプロトタイプ開発は終了し、問題点としてあげた線量の測定レンジ(感度)を上げることは成功している。本研究の早期論文化を目標に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
Bluetooth対応簡易形線量計の開発において、測定器回路開発およびWeb Bluetooth APIによる表示プログラムの開発が順調に行われ、その経過を学会で発表を行った。早期の論文化に向けて、X線装置の管電圧波形と今回開発している簡易形測定器の電離電圧波形の比較が必要であるため、令和4年度に計上していた物品費で購入予定である直接接続形管電圧管電流計の購入を前倒しで購入予定してでいたが、昨今の半導体不足によりメーカーから納品ができないとの連絡があった。そのため、最終試験であるBluetooth対応簡易形線量計の運用評価として、Javascript Chart線量波形と管電圧波形を比較ができていない。今年度の夏くらいには納品することが可能とのことである。
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