研究課題/領域番号 |
20K10330
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
作田 浩行 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (20341985)
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研究分担者 |
増山 英理子 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (90459214)
古賀 誠 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20532823)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 反転授業 / 事前学習 |
研究実績の概要 |
今年度は3年次臨床実習において事前演習課題(以下,演習)を作成して実施した.演習は,事例のプロフィールと短期目標を提示して,その短期目標の設定に至った作業療法士の臨床推論および方略を推測するという課題であった.学生(15名)は3~4名でグループを形成して,臨床実習に参加する前に演習に取り組んだ.なお,課題の提出後,作業療法学科教員によって補足説明とフィードバックを実施した. 演習終了後,臨床実習の中頃にオンラインによるアンケート調査を学生15名に実施した.質問「事前演習の受講は実習を進めるにあたり有効であった(5件法)」では,9名(60%)が「とても有効であった」,5名(33.3%)が「やや有効であった」,1名(6.7%)が「どちらとも言えない」と回答して,否定的な回答を選択した学生はゼロであった.自由記述では「なぜこの検査を対象者に行うのかという根拠となる考え方を理解することができた」,「フィードバックがあったため、どの様な点に注意して観察評価をしたらいいのかわかった」,「どういったことに着目するのか・どのような考え方を持って、どのような評価を実践するかといった決め方を前もって知ることができた点で有効だった」といった臨床推論の理解が深まったという回答や「レポートをどのように考えていけば良いかの流れやポイントがつかめた」,「提出物の記載方法や課題を提出するまでの流れを大まかな理解できた」といった実習でのプロダクトの作成の流れを知ることができたといった回答があった.さらに「疾患名からより多くのことを考えられるようにするために臨床医学系の科目の復習に取り組んだ」といった実習をよりよくするために準備が必要であることに思いが至った学生もいた.また質問「今後の実習でも事前演習に参加したいか(2件法)」では全員が「参加したい」と回答した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は臨床実習指導者を対象にNominal Group Technique(以下,NGT)によって実習導入時の"つまずき"と解決策について明文化,吟味・検討する予定であったが,コロナ禍の影響で,集団での長時間の会合にリスクが伴ったため,実施を見送った.今年度は,本来のNGTに準拠するよう考慮した上でオンラインでの開催を検討している.
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今後の研究の推進方策 |
Nominal Group Technique(以下,NGT)によって臨床実習指導者を対象に実習導入時の"つまずき"と解決策について明文化,吟味・検討する.コロナ禍であることを考慮してNGTに準拠するよう考慮して上でオンライン形式での開催を計画している.NGTで得ることができた解決策などの知見をもとに事前学習用の動画教材を制作し,2年次の臨床実習に反転授業として組み込み,その成果を検証する予定である.また,2021年度にプレ研究として実施した3年次実習での事前演習も学生のアンケート結果や臨床実習指導者,学内で指導する作業療法学科教員の意見なども参照して,さらにブラッシュアップを行い反転授業として整備して組みこむ予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で予定していた物品の購入を延期したこと,参加を計画していた学会が現地開催からオンラインでの開催へ変更したことなどから,予算の執行が停滞してしまった. 2022年度は計画している研究を実践するために,事前演習で使用する動画教材の制作に必要なアプリケーションや電子素材,機材などを購入する予定である.
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