研究課題/領域番号 |
20K10337
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
米本 直裕 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 客員研究員 (90435727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自殺予防 / 系統的レビュー / 評価指標 |
研究実績の概要 |
本研究は、自殺予防介入のエビデンスを現場に普及、適応する際のプロセス指標、アウトカム指標を開発することが目標である。 本年度は、COVID-19の影響下において、ソーシャルディスタンスが推奨され、物理的、心理的に専門機関、メンタルヘルスサービスへのアクセスに制限がある事情を考慮して、プロセス指標の1つとして、援助要請行動 Help seeking behaviorに着目し、研究を行った。系統的レビューを行い、文献からの現状の把握と課題を整理し、分析を行った。COVID-19流行下において、メンンタルヘルスサービスへの援助希求行動の遅れ、低下、欠如が起こり、適切な治療・ケアに結び付ける機会を失われ、自殺行動に関連している可能性が示唆された。本内容については、日本自殺予防学会にてポスターで発表を行った。アジア自殺予防学会においても発表予定である。現在、さらに整理、分析を継続して行っている。最新の情報に更新を行い、国際誌に投稿準備中である。 また、身体リスクを抱える人の課題の事例の1つとして、重篤な精神障害を患った妊婦における自殺行動を試みるリスクを検討した系統的レビューを行い、国際自殺予防学会で発表した。 指標の開発においては、すでに電子化されている情報、特に電子カルテ情報を自然言語処理で分析することにより、新しい指標を開発することにつなげられるのではないかという仮説に基づき、まずは現状を把握するために、文献調査を行った。今後、本テーマにどのような応用が可能かを継続して検討する予定である。 ゲートキーパー法については、引き続き、オンラインで実施することが可能なコンテンツについて、オンラインで実施する際の課題点、プロセスやアウトカム指標の設定法について、関係者と議論を行い、整理作業を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度においても、COVID-19の影響によって、関連学会、国際会議や学会がオンラインでの参加になるなどの影響がみられた。そのような状況下において、円滑にコミュニケーションをとるため、情報ツールを活用し、研究を進捗することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、今後もCOVID-19の影響が継続することを考慮し、関連する知見を得られるような研究を行うことを検討している。オンラインでのコミュニケ―ションでも役に立つ知見を見出すことができるように工夫したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を一部変更し、作業可能な研究を優先して実施した。昨年度まで会議等は難しい状況であったが、本年度はオフラインでの会議、学会参加を予定している。
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