研究課題/領域番号 |
20K10344
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
坂井 智行 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50608784)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学校検尿 / 新型コロナウィルス感染症 / 未受診率 |
研究実績の概要 |
【目的】2020年度はCOVID19流行に伴い、緊急事態宣言が発出され学校検尿の実施が数か月遅延した。また受診控えによると推測される小児科受診患者数の大幅減少がみられた。滋賀県のように学校検尿をB方式で実施している地域では3次精密検診が養育者に委ねられるため精密検診受診への影響が懸念される。滋賀県は他府県と異なり全精密検診対象児童生徒の学校生活管理指導表が県教育委員会に集約されるシステムが構築されており、過去にも同システムを用いて3次精密検診の対象者が精密検診を受診していない割合を調査している。今回、このシステムを用いて2020年度の精密検診受診率の変化を調査した。 【方法】県教育委員会から提供をうけた管理指導表の情報を用い、県内の全公立小中学校で新規有所見児童生徒の3次精密検診未受診率を過去8年間と比較した。【結果】小学生:学校検尿受検者 80184名、新規に3次精密検診対象の有所見者 177名、未受診 25.4% (過去8年平均17.0%、95%信頼区間 14.4- 19.7%)。中学校:学校検尿受検者 37747名, 新規に3次精密検診対象の有所見者 445名、未受診 30.1% (過去8年平均 37.8%, 95%信頼区間 32.8 - 42.7%)。小学校で未受診率の有意な上昇がみられたが、中学校では低下がみられ一定の傾向は見られなかった。 【考察】 B方式で3次精密検診が実施される地域でも2020年度の精密検診受診状況に著しい悪化はない。 【今後の研究の展開】2020年度はCOVID19流行により、通常どおりの学校検尿が実施困難であった。2021年度以降は従前から実施している滋賀県で実施される学校検尿の残余検体に尿生化学検査を追加実施し、腎疾患のスクリーニングに有用な検査項目の組み合わせを検討していく予定です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度はCOVID19流行により, 通常どおりの学校検尿が実施困難であったが, 2021年度以降は従前から実施している滋賀県で実施される学校検尿の残余検体に尿生化学検査を追加実施し, 腎疾患のスクリーニングに有用な検査項目の組み合わせを検討していく予定です。
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今後の研究の推進方策 |
COVID19流行のため2020年度は、予定通りに学校検尿残余検体追加検査の実施が困難であった。このため研究期間を1年延長し、データを積み重ねたうえで、腎疾患のスクリーニングに有用な検査項目の組み合わせの検討していく予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はCOVID19流行により、通常どおりの学校検尿が実施困難であった。研究期間を1年延長して2021年度以降は従前から実施している滋賀県で実施される学校検尿の残余検体に尿生化学検査を追加実施し、腎疾患のスクリーニングに有用な検査項目の組み合わせのデータを収集する予定です。
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