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2021 年度 実施状況報告書

尿蛋白クレアチニン比を用いた、新たな学校検尿システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K10344
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

坂井 智行  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50608784)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード学校検尿 / 尿β2ミクログロブリン / 先天性腎尿路異常
研究実績の概要

【目的】小児慢性腎臓病は若年発症であるほど成長発達等への影響が強く, 早期発見早期介入が望まれる. 小児慢性腎臓病の最多原疾患である先天性腎尿路異常(CAKUT)では, 尿蛋白より早期に尿β2-microglobulin(uBMG)が上昇することが多く, 「学校検尿のすべて令和2年度改訂」では, 学校検尿3次精密検査でuBMG /Crの測定が必須となった.しかし現行の学校検尿2次検尿までに尿蛋白や尿潜血に所見のない場合にはuBMGの測定機会はなくCAKUTが発見されない可能性がある. 今回, 現行の学校検尿で検出できないuBMG/Cr上昇割合を調査した.
【方法】滋賀県の小学生で2019-2021年度に学校検尿を受検した児童(計143,165名: 全県の約60%)のうち, 2次検尿を受検した全児童の残余検体(検尿異常有 345名, 無 1,259名)を用い, 2次検尿の所見とuBMG/Cr上昇割合(0.35μg/mgCr以上)の関連を調査した.【結果】2019年: uBMG /Cr上昇割合:全対象2.4%, 有所見児童1.8%, 無所見児童 2.6%. 2020年: 同2.1%, 2.5%, 2.0%. 2021年: 同0.8%, 1.8%, 0.5%. 全期間: 同1.8%, 2.0%, 1.7%. 全期間での検尿異常の有無による群間比較: p= 0.73(χ2検定). 【考察・結論】 小学校2次検尿におけるuBMG/Cr上昇を認める児童の割合は, 既報の尿蛋白・尿潜血陽性率中央値と比べ高値であった (蛋白+以上 0.06%, 潜血+以上 0.15%: 小児保健研究. 2017. 93-99). 現行の学校検尿では検尿異常のない児童のなかにuBMG上昇例が多く存在すると推測される. 今後これらの児童における介入すべきCAKUTの有病率についての調査研究が必須である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度はCOVID19流行により, 通常どおりの学校検尿が実施困難であったが, 2021年度以降は従前から実施している滋賀県で実施される学校検尿の残余検体に 尿生化学検査を追加実施し, 腎疾患のスクリーニングに有用な検査項目を検討できているため(とくに先天性腎尿路異常の発見目的での尿β2-microglobulin)。

今後の研究の推進方策

研究期間を1年延長し、データを積み重ねたうえで、腎疾患のスクリーニングに有用な検査項目の組み合わせの検討していく予定です。今後は実際の学校検尿での1次検尿において有効性を確認する予定です。

次年度使用額が生じた理由

COVID19流行のため2020年度は、予定通りに学校検尿残余検体追加検査の実施が困難であった。このため研究期間を1年延長し、データを積み重ねたうえで、腎疾 患のスクリーニングに有用な検査項目の組み合わせの検討していく予定です。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 小学校学校検尿では尿ベータ2ミクログロブリン上昇例を適切に検出できない2022

    • 著者名/発表者名
      坂井智行
    • 学会等名
      第65回日本腎臓学会学術総会
  • [学会発表] COVID19流行による学校検尿の3次精密検診受診(B方式)への影響2021

    • 著者名/発表者名
      坂井智行
    • 学会等名
      第64回日本腎臓学会学術総会

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公開日: 2022-12-28  

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