研究実績の概要 |
2021年度では2020年度に行った内視鏡外科手術技術評価装置HUESAD(Hiroshima University Endoscopic Surgical Assessment Device)と空間認知能力について機械学習を用いて検討を行った。 研究方法 エキスパート22名からなる経験豊富な外科医グループ(腹腔鏡下手術100例以上実施)と医学生123名からなる医学生グループに分けた。HUESADを使用し,動作データの解析には、3つの動作解析パラメータ(空間認知能力と関連する鉗子のずれ,鉗子の速度,鉗子の正確性)を用いた。機械学習を用いた外科医の分類には、Random Forest、K-star、Support vector machine、Multilayer perceptron、Linear discriminant analysisを使用した。また、分類器の性能を評価するために、10-fold交差妥当性の検証を行った。 結果 HUESADによる機械学習ではRandom Forestがより正確で高いAUCを示した。10-fold検証では、Random Forest, K-Star, Support vector machine, Multilayer Perceptron, Linear discriminant analysisの平均精度は、0.951, 0.929, 0.898, 0.897 であった。 結論 HUESADを用いて技能分類をしたところ、提案した3つの手法によって高い精度が得られた。動作解析によるこれらの分類法は、腹腔鏡手術の技量について外科医の手術能力を客観的に分類する手段を提供するものであった。HUESADは術者の空間認知能力を測るシステムでもあることから空間認知能力が術者の技能に大きく影響を及ぼす因子であることが明らかとなった。
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