研究課題/領域番号 |
20K10348
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
畠山 豊 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 准教授 (00376956)
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研究分担者 |
奥原 義保 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (40233473)
兵頭 勇己 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (50821964)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 医療情報学 |
研究実績の概要 |
病院以外の医療データへの適用可能性を評価するために、健診施設において蓄積されている受診者データを対象として評価を行った。BMI、高血圧症などの既往歴、生活習慣に対する問診項目に基づいて、HbA1c値の基準値を超えるまでの日数を予測するモデルを構築した。基準値を超えるまでの残り日数を扱う状態モデルと、残り日数と各種問診項目からHbA1c値を推定する観測モデルから構成される状態空間モデルを導入した。HbA1c値を推定する観測モデルの入力として必要な問診項目をAICに基づいて選択して、観測モデルパラメータを同定した。実際の健診データに対して適用し、3年以内に基準値を超えるかどうかの判定結果をROCで評価し、AUCが0.93であることを示した。この結果は受診者の生活習慣と現在のHbA1c値で糖尿病発症のリスクを定量的に示すことが可能であることを示しており、受診者の生活改善に寄与する可能性があることも示している。また、健診受診者の問診回答データが現在の受診者の状況を反映していること、その結果悪化して病院受診する前から改善可能であることも示唆している。 これらの結果は病院以外の問診データであっても患者状態の推定をすることが可能であり、これらの情報を組み込むことで、予後が悪化する可能性をある程度予測可能であることが示された。つまり、複数種類のデータ統合を行いベイズモデルによる推定を行うことで対象患者の時系列変化を予測することが可能であることを本研究は示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個人毎の長期予測モデルを構築しており、予定通り進捗していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
個人毎の変動量と個人毎の特徴量を組み合わせて、個人毎の長期予測モデル構築を実施し、予測精度の向上が期待できるかどうかの評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの感染拡大によって学外の研究者との打ち合わせや学会参加の抑制されたこと、また感染拡大によりサーバ入手が遅れているため
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