研究課題/領域番号 |
20K10358
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
脇之薗 真理 藤田医科大学, その他部局等, 助手 (60773843)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インフォームド・コンセント / 同意能力 / 同意能力評価 / 高齢者 / 研究倫理 |
研究実績の概要 |
本研究における2021年度の課題は、高齢者対象の臨床研究におけるインフォームド・コンセントについて、高齢者・認知症患者対象研究の代表者らへのアンケートを実施し、その上で同意能力を判断する実践的なガイドライン試案のドラフト案を作成することであった。しかし、当年度はまず2020年度に行った文献調査の結果の分析を、村井はるか准教授(藤田医科大学 医療科学部)と共に引き続き行った。全体の傾向の分析と、各論文の中身の検討と、全体と細部を行き来して、ディスカッションを行った。それにより、必ずしも定型的なツール等を用いることを必要とせず、ケースバイケースでスタッフが対象者の意思を反映する工夫をしている場面が少なくない等の現場の姿がぼんやりと浮かび上がってきた。 そのほか、今後予定する、インタビュー・アンケートに向けた準備として、医療ソーシャルワーカーを対象に高齢者との関わり方や、能力評価についての話を聞いた(10/28)。また、論文作成に際して、山内一信先生(東員病院・藤田医科大学名誉教授)をお招きして検討会を行い、医師かつ認知症の専門家の立場からのアドバイスをいただいた。 ここまでの成果について、以下の場で公表した。 6/15 藤田医科大学 第7回学内研究シーズ・ニーズ発表交流会 脇之薗真理、村井はるか「高齢者対象の治療・臨床研究における同意能力評価、どうしていますか?」(ポスター発表)、11/27-28(オンライン)日本生命倫理学会第33回年次大会 脇之薗真理、村井はるか「高齢者対象の臨床研究における同意能力評価に関する文献調査」(口頭)これらの成果について論文を作成し、現在投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
文献の整理・分析について、思いのほか時間がかかった。日本で、医療・介護現場のスタッフのアクセスしやすい情報という点で日本語文献に限定して調査したが、文献が少なく、またその中でも臨床研究の同意能力評価に言及したものはほとんどなかった。当初の予定通り、臨床研究の同意能力評価に焦点を当てるか、あるいは医療・介護の臨床現場にもより配慮するか等、今後の研究の方向性について若干の迷いが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、高齢者・認知症患者対象研究の代表者らへのアンケートを実施する。それに先だって医師・CRCらへのインタビューを実施する予定である。当初の計画通り、研究における同意能力評価に焦点を当て、計画の完遂を目指す。ガイドラインについても、試案の作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れから今年度購入予定であった物品費、コロナ禍の継続により旅費に余剰が生じた。次年度、物品購入を含め、計画を遂行する。また積極的に学会発表等を行う。
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