研究課題/領域番号 |
20K10361
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 富雄 大阪医科大学, 医学部, 特別任命教員教授 (50343207)
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研究分担者 |
三澤 美和 大阪医科大学, 医学部, 特別任命教員助教 (20816508)
島田 史生 大阪医科大学, 医学部, 特別任命教員助教 (90748047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 地域特性と産業構造 / 健診受診率 |
研究実績の概要 |
急性冠症候群に関する脂質異常や肥満などの個々の危険因子はよく知られているが、プレ調査により、淡路島の急性冠症候群の地区別の発症率には大きな差があることが明らかになり、その理由として淡路島は地域ごとに職業や生活習慣が大きく異なり、それらの違いが発症率の差の原因となっている可能性があるという仮説を立てた。今回の研究の目的は、淡路島内における各地域の発症率の差に関係する背景因子を、保健師と住民に対する質的研究手法での解析結果と行政からの統計的な量的データの結果とを組み合わせた混合研究の手法を用いて明らかにし、一次予防に関する地域に合った介入プログラムを作成することである。本研究は、量的研究と質的研究を組み合わせた混合研究の手法で行っているが、これまでに淡路市、洲本市、南あわじ市の保健師に半構造化面接を行い、インタビュー内容を録音と録画で記録し、音声データから文字起こしで筆記データに転換し、質的分析の手法であるSCAT(Stepe for Cording and Theorization名古屋大学大谷)を用いて、「地域ごとに特色のある生活習慣、文化背景」の抽出をすでに行った。データ解析は研究代表者の鈴木と分担者の三澤の二人が独立して分析を行い、擦り合わせを行っており、昨年度、本研究の結果を2019年5月に京都で行われたのWONCA(世界家庭医療学会)で発表済みであるが、2020年度はコロナ禍になり、その結果を踏まえて2020年度施行する予定であった地域へ赴いてのフィールド調査と保健所と連携しての地域を選別しての介入プログラム作成が、現在残念ながら全く行えていない状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は淡路島でのフィールド調査を保健所の保健婦の協力を得て行った上に成り立つ混合研究であり、コロナ禍において、大阪も淡路島も感染者が多数発生し、現地のフィールド調査が不可能となり、保健所の業務もコロナ関連の業務に忙殺され、研究者自身も予想不可能な診療業務の増大があり、研究の実質的遂行が難しい状況であった
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今後の研究の推進方策 |
少なくともワクチン接種が大幅に進み、コロナ禍がある程度安定して、保健所業務が一旦落ち着き、現地に対面でフィールド調査に入ることができないと、当初の予定を進めるには難しいと考える。大幅な研究計画の変更を共同研究者および研究協力者と進める必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はコロナ禍により現地に赴いてのフィールド調査が施行できなかったために次年度使用額が生じた。次年度はワクチン接種によるコロナ禍収束の経過をみながら柔軟に計画を変更しつつ、可能な調査研究を施行していく計画である。
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