研究課題/領域番号 |
20K10368
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
瀬尾 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80422179)
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研究分担者 |
沼尻 晴子 (橋井晴子) 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00712845)
前野 哲博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40299227)
小川 良子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80517483)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 臨床研修 / 研修医 / COVID-19 / ストレス / 抑うつ / 労働時間 |
研究実績の概要 |
今回の研究では、2020年度に行われる2回目の臨床研修制度の大幅な見直しを受け、研修医の就業環境、ストレス状況の変化を調査し、2004年、2011年当時の研修医と2021年度の研修医とを比較検討することで、安全で質の高い研修体制の構築に資することを目的としている。さらに新型コロナウィルス感染の拡大により、医療現場のストレスは以前とは変化している可能性が考えられるため、新型コロナウィルス関連のアンケート項目を追加することとした。 2022年度は研究実施計画に基づき、下記を実施した。 ・アンケート調査の解析 1)コロナ禍の2021年度に研修を開始した研修医は、研修開始前から以前に比べて優位に抑うつ状態(2004年18.1%、2011年16.3%、2021年24.9%)を呈していた。2)抑うつ状態を呈している研修医に男女差はなかった。3)所属では、大学病院に所属する研修医(抑うつ状態の研修医割合31.2%)が、市中病院に所属する研修医(抑うつ状態の研修医割合21.5%)に対して有意に多く抑うつ状態を呈していた。4)新型コロナウィルスに対して不安が非常にある、まあまああると答えた研修医が抑うつ状態にある割合は32.7%と高く、自身が新型コロナウィルスに感染するのではないか、医師になると行動制限が厳しくなるのではないか、社会から差別を受けるのではないか、勤務時間が長時間化するなど労働環境が悪化するのではないか、家族に新型コロナ関連業務をするなと言われるのではないか、等が不安の原因であると考えられた。 ・上記結果について、2022年8月6日の医学教育学会において「コロナ禍における臨床研修医の研修開始時のストレス反応に関する全国調査」と題して発表した。 ・2023年1月に「医師臨床研修における就業環境と研修内容およびストレスに関する全国調査」の第3回目アンケートをwebにて実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第2回、第3回アンケート調査は予定通りの時期に実施した。 今回の調査は以前の調査とは形式を変更して実施(以前は紙の調査用紙を配付したが、今回はWebアンケート調査)しており、研究倫理の指針にしたがい各施設の研修プロログラム管理責任者から研修医へのアンケート調査への協力依頼を実施しなかったため、過去と比較して回答数がかなり減少(1回目554名、2回目82名、3回目28名)してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は1~3回のアンケート調査結果の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のなか、医療従事者である共同研究者の学会参加が難しかった。 アンケート調査への回答数が予想を下回ったため、マージ作業の委託費が予定より減額となった。
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