研究課題/領域番号 |
20K10375
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 徳幸 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (00758732)
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研究分担者 |
伴 信太郎 愛知医科大学, 医学部, 特命教授 (40218673)
松久 貴晴 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80782101)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 共感 / CARE Measure / 患者の視点 |
研究実績の概要 |
医師の共感は、その共感を受け取る患者の視点が重要であり、患者の視点を反映させた教育プログラムや評価を卒前・卒後一貫して行う必要がある。今回研究代表者らは以下の二点で患者の視点の反映を計画した。まず我々が既に開発した患者の視点から医師の共感を評価する日本語版CARE(Consultation And Relational Empathy)Measureを、医学部 5年生向けの実習プログラム(外来医療面接実習と医療面接ピア・ロールプレイ実習の融合実習)で、患者が医学生の評価を行うために使用することでの卒前教育への反映とその効果に関する質的探索である。次に多様な患者(小児やコミュニケーションに障害がある高齢者)が評価に参加できるよう挿絵を用いて明示化し、質問項目を簡略化したVisual CARE Measure日本語版の開発による卒後臨床実践への反映である。本研究は患者や学生を広く対象とした調査を実施する計画である。しかし2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い調査環境に大きな変化が生じ、接触環境で行う本研究は多くの計画が実行困難であった。よって本年度は変化した環境への研究計画の修正、すなわち非接触環境でも可能な研究調査と新たな研究設問の設定と、新型コロナウイルス感染症の収束を見据えた準備を行った。すなわち研究調査環境の再調整と非接触環境でも行える本研究に関連する新たな研究課題の探索、そして倫理申請の準備や文献調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日本語版Visual CARE Measureの作成については、新型コロナウイルス感染拡大によって、質問紙の回答者として想定される調査環境(高齢者やコミュニケーションに困難を抱える患者、もしくは小児およびその保護者)での調査が実行困難になった。代替案として本学総合診療科外来での実施を計画したがこれについても英語版での対象者と異なるため著作権者からの同意が得られず断念した。臨床実習についても新型コロナウイルス感染拡大に伴って実習の中断や体制の変更を余儀なくされており、本質問紙を継続使用はしているもののその意義の探索には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大の収束を待って当初想定された調査環境での日本語版質問紙の調査を行うため、倫理申請を含めて研究実行のための準備を行う。また質問紙に関しては簡略化についての検討を本研究から派生した新たな設問とし、既存のデータの二次データ解析によって検討することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、研究計画に遅延が生じただけでなく、学会参加もオンライン環境に変更された。よって年度内に使用する予定であった調査旅費や謝金等の支払いが生じなかった。次年度には調査のための移動が可能であればそのための旅費として使用する。また次年度に、当初接触環境で行うよう予定していた研究が実行可能であればそれに対する支出(例:研究対象者への謝金)に使用する。
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