研究課題/領域番号 |
20K10384
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松山 泰 自治医科大学, 医学部, 教授 (60458320)
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研究分担者 |
淺田 義和 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10582588)
岡崎 仁昭 自治医科大学, 医学部, 教授 (40285789)
清水 郁夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (60716231)
田中 淳一 東北大学, 大学病院, 助教 (80643329)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自己調整学習 / ICT教育 / 課題解決型学修 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症流行後の教育現場での変化によって、旧来の対面型PBLの規模縮小を余儀なくされた。そのため、新しい形式による「職業アイデンティティ形成志向型の自己調整学習力育成プログラム」の確立を目指している。 具体的には、ポストコロナ時代・DX世代の医療人を思い描き、課題解決にICTを柔軟に活用できる自己調整学習力を備えた医療人をモデルとして設定し、そのような医療人アイデンティティの形成を通じて自己調整学習力を育成するプログラムを開発する。 そのため、今年度はICT活用力が現行の医学部のカリキュラムでどの程度育まれているか、新たに倫理審査を受審したうえ、オンラインアンケートで82医学部の6年生を対象に一斉調査した。 その結果、824名の6年生から回答があり、ICT活用能力で相対的に自己評価が低い領域として、3つが抽出された。①ICTに関わる規制・法律・ガイドラインの理解、②ICT活用で起こりえる倫理的問題に関する対話力、③ICTを駆使した医療の理解と応用、である。そしてこれらの能力の高低を規定する因子の1つとして、課題解決型授業の過去の経験が同定された(本研究成果は現在国際学術誌に投稿中である)。 この調査の結果を踏まえ、A)課題解決型授業を通じたICTを柔軟に活用できる自己調整学習力の向上、B)ポストコロナ時代・DX世代の医療人の職業アイデンティティの形成を2本柱としたプログラムを確立することとする。この二本柱で特徴付けられるプログラムをデザインすることで、旧来の対面型PBLとは異なった「職業アイデンティティ形成志向型課題解決プログラム」を示すことが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行後の教育現場での変化によって、旧来の対面型PBLの規模縮小を余儀なくされた。そのため、当初の計画とは異なる、新しい形式による「職業アイデンティティ形成志向型の自己調整学習力育成プログラム」を計画する必要があった。さらにそれに向けた予備調査を完遂するにあたり、研究は遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長することで、新型コロナウイルス感染症の影響に対する軌道修正は必要であったものの、当初と同程度の目標への到達を目指していく。 今年度、まずは現状調査として行った824名の6年生を対象としたアンケート調査について、国際学会への発表と国際誌へのアクセプトを目指す。国際学会の発表に関しては、無事2024年ヨーロッパ医学教育学会の発表に採択された。 次に、この調査の結果を踏まえ、A)課題解決型授業を通じたICTを柔軟に活用できる自己調整学習力の向上、B)ポストコロナ時代・DX世代の医療人の職業アイデンティティの形成を2本柱としたプログラムを確立することとする。この二本柱で特徴付けられるプログラムをデザインすることで、旧来の対面型PBLとは異なった「職業アイデンティティ形成志向型課題解決プログラム」を示すことが期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行によって、当該研究のフィールドである、医学部の教育現場、とくに旧来型対面式のPBLの現場が機能停止した。そのため、研究活動が実施できず1年の延長を申請した。そのうえ、ポストコロナにおいて医学教育のニーズや、課題解決型学修方法の在り方に変更があったため、研究方法を軌道修正する必要があった。 次年度は、当初の研究到達目標に達成すべく、軌道修正した方法で研究を完遂する。
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備考 |
研究協力者である太田雄馬氏が、本研究成果で「2024年度自治医科大学大学院研究奨励賞」の入賞を果たした。
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