研究課題
人口減少地域である福井県三方上中郡若狭町の協力を得て、町内の高齢者を対象に2年間、年1回のペースでサルコペニア検診を実施し、同時に対象者の2年間の緊急入院件数と救急搬送件数、入院件数を調査する。サルコペニアの診断はBIA法(Bioelectricalimpedance analysis,生体電気インピーダンス法)を用いた体組成計測と体力測定で行い、Asia working group of sarcopenia(AWGS)基準を用いる。検診は町内各地域の公民館に赴き、研究チームと町職員、地域住民(有志サロン)と共同で実施した。本年度は2022年4月~2022年12月に町内20個所においてサルコペニア検診を実施し257名の参加を得た(女性比率は70.0%)。年齢は77.6±7.9歳で、サルコペニアの比率は全体で9.7%(25例、男性9例、女性16例)、プレサルコペニアは11.7%(30例、男性12例、女性18例)、ダイナペニアは12.5%(32例、男性4例、女性28例)であった。救急車利用者は1.9%(5例)、入院者は9.3%(24例)で、救急車利用者割合は2021年より大きく減少(2021年:3.5%、13例)し、入院件数は僅かに減少(2021年:9.7%、36例)した。サルコペニアと救急搬送件数、入院件数の関係については解析中である。本年度はサルコペニアの新たな危険因子を解析している。その上で、救急搬送件数や入院件数との関係を解析する予定である。サルコペニアの新たな危険因子としては脂肪量、筋質の指標(位相角、脚点)、骨量が挙がっており、脂肪量と位相角については学会発表を行った。骨量についてはサルコペニアの新たな診断基準として特許申請を準備中である。また並行して論文作成を進めており、申請が終わり次第、投稿を行う予定である。
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