研究課題/領域番号 |
20K10407
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
西村 ユミ 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (00257271)
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研究分担者 |
前田 泰樹 立教大学, 社会学部, 教授 (00338740)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 急性期病院 / 地域包括ケア / 多職種連携 / 現象学 / エスノメソドロジー |
研究実績の概要 |
本研究は、急性期病院と地域との連携が、多様な医療職種によっていかに為されているのかを探究することが目指されている。 研究フィールドは、中部圏に位置する急性期病院とその周辺地域であるが、本年度は、新型コロナウイルス感染対策の状況をみつつ、複数回、フィールドへ赴き、調査を行った。 調査としては、入退院支援課を担当している病院管理職(副院長兼看護部長)、および入退院支援課の管理者へ、急性期病院においていかに地域包括ケアを取り入れ、それによって入退院支援の仕組みがいかに改革されてきたのかを、非構造化インタビューによって聞き取った。インタビューはICレコーダに録音し、音声データは逐語記録に起こし、現在、分析中である。副院長兼看護部長の実践については、一部を、日本保健医療社会学会第47回大会にて発表予定である。 また、これまでの調査で蓄積してきたデータと併せて、看護師の協働実践の成果2編を、学会誌に投稿した。関連学会および研究会から招待論文としても、公表した。入退院支援課での調査と課長の語りをもとに、実践の連なりについても分析中である。 今後は、入退院支援での多職種の実践、病棟と外来とを繋げる実践、地域との繋がりをつくる実践等について、複数部署、及び地域で調査を実施する予定である。とりわけ、入退院支援課が関わる外来での実践や、病棟と外来とを包括する取り組みについて調査し、看護職、ソーシャルワーカー、医師、事務員等々が連携する実践を探究する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染対策のために、長らく県を跨いで移動をすること、および急性期病院内に外部者が入ることができない状況であったため、調査を開始することができなかった。しかし、感染者数の減少と感染対策の徹底によって、直接、病院内に入ることができ、調査を再開するに至った。 また、感染者数の増減の波があり、それによって、訪問が可能になったり不可能になったりを繰り返した。不可能な期間内には、メールなどを介して情報を得るに留まった。 他方で、これまで蓄積してきたデータに基づく成果は、順次公開されている。
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今後の研究の推進方策 |
インタビューによって、複数の新たな取り組みを把握することができた。特に、入退院支援課の外来での取り組みや、病棟と外来とを包括する取り組みについては、急性期病院における地域との繋がりの要になると考えられる。そのため、この取り組みに関連する多職種の実践や経験を調査するとともに、この後の展開を追跡し、地域との接点にあたる協働実践を探究する予定である。 成果については、日本保健医療社会学会等の国内学会で発表および論文投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染対策のため、フィールドへの調査回数が予定よりも少なかった。特に、交通費、宿泊費、委託費等は、予定より大きく下回った。
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