研究実績の概要 |
本研究は、小児医療の病棟環境における安全性につき、現状把握と改善方略にかかる科学的根拠を提供することを目的としている。その為、既存の症例レジストリのビッグデータを有効利用することを計画した。病棟環境における安全性評価指標としては、院内心停止・心肺蘇生事象と気管挿管関連有害事象を用いることとした。既存の症例レジストリとしては、小児院内心停止レジストリJNRCPR1,2)と気管挿管レジストリNEAR4KIDS3)を用いることとした。また、これら独立複数レジストリの基本患者情報をコア情報として共有するためCore Registry4)の開発をさらに進め、これらを連結させることとした。小児急性期医療領域での包括的症例レジストリを構築する試みは初めてであり、小児医療の安全性検証とも関連するという観点からも、その意義と重要性は大きい。 1)Circ J.2011;75(4):815-22. Yokoyama H, Shimizu N, Nonogi H, J-RCPR Investigators. 2)日本集中治療医学会雑誌. 2012; 19(suppl): 194. 清水直樹, 黒澤茶茶, 本間順, JNRCPR group. 3)Pediatr Crit Care Med. 2018 Jan;19(1): e41-e50. National Emergency Airway Registry for Children (NEAR4KIDS) and Pediatric Acute Lung Injury and Sepsis Investigators (PALISI) Network. 4)厚生労働科学研究報告書「小児救急医療体制の品質評価・最適化・情報発信のための小児救急医療統合情報システムの開発研究(清水直樹)」
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