研究課題/領域番号 |
20K10422
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター) |
研究代表者 |
藤見 聡 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 救急診療科, 主任部長 (70362720)
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研究分担者 |
中森 靖 関西医科大学, 医学部, 教授 (10716616)
梅村 穣 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20743561)
久志本 成樹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50195434)
山川 一馬 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (50597507)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 外傷 / ハイブリッドER / データベース / CT |
研究実績の概要 |
近年の医療水準の向上にも関わらず、外傷死亡者数は年間2万人以上にのぼり、その多くは出血性ショックに続く失血死である。したがって外傷患者の救命率向上のためには活動性出血部位を迅速かつ正確に同定し、最適な止血介入を施すことが重要である。ハイブリッドERシステムとはCT検査装置とX線透視装置を設置した外傷初療室を用いて患者搬入からCT検査、緊急手術や血管内治療まで一連の検査と診療をシームレスに行う画期的な診療システムである。本研究はハイブリッドERシステムの有用性を様々な学術的見地から詳細に評価し、最適な運用方法を確立するため、1)多施設共同研究の基盤となる大規模症例データ自動収集管理システムを構築し、2)得られたビッグデータを用いて、生命転帰、機能予後、被爆、医療経済など様々な臨床的課題の詳細な解析を実施することを目的としている。 初年度である2020年度は、研究の第一段階として、質の高いデータセットを多施設で自動的に作成・共有することができる研究プラットフォーム(症例データベース)の開発を進めてきた。これはTXP Medical株式会社と共同で進めており、その基盤となる部分はほぼ完成している。さらに各研究機関の倫理審査委員会によって、本研究のプロトコールが承認され、複数回のweb meetingを経て、参加施設におけるデータベース構築の準備が進めてきた。現在、大阪急性期総合医療センター、関西医科大学総合医療センターにおけるデータベースの構築およびそれらを統合するための体制は完成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究発案時には想定していなかった新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の、国内における急速な感染拡大と蔓延により、研究施設の外傷患者受け入れが極端に制限されているため。またCOVID-19の感染拡大に伴って、本研究の主体となっている日本ハイブリッドERシステム研究会の開催も複数回にわたって見送られており、十分な打ち合わせが進まないため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き各参加施設における臨床研究の倫理審査、データベース構築の準備を進める。並行して構築されたデータベースを解析し、より有用なデータ収集方法の確立を目指していく。来年度は少なくともコア三施設で(大阪急性期・総合医療センター、関西医科大学、東北大学)のデータベースを統合・解析し、外傷診療におけるハイブリッドERの有用性と課題を様々な観点で解析するための基盤を構築する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では研究発案時には想定していなかった新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の、国内における急速な感染拡大と蔓延により、研究施設の代表者の移動、集会に強く制限がかかってしまった。これによって当初予定していたペースでデータベースの構築が進まず、開発に要する資金を次年度に持ち越す形となったため。
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