研究課題/領域番号 |
20K10427
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
渡邊 裕美 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50325479)
|
研究分担者 |
平尾 嘉利 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10647613)
北村 香織 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80468975)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 認知症 / 尿 / バイオマーカー / プロテオミクス / コホート研究 |
研究実績の概要 |
2021年度は①2015年に初回調査を行ったコホートにおいて、Mini Mental State Examination(MMSE) による認知機能検査の追跡調査を行い、尿検体を収集した。②上記コホートにおいて2019年に行っていた先行調査時結果より選択した認知機能低下群と認知機能正常範囲の7名のベースライン時(2015年)並びに2019年時の尿の質量分析によるプロテオミクスデータの解析をおこなった。 ①の追跡調査により、ベースライン時認知機能検査情報及び尿あり418名のうち、5年後認知機能検査情報あり210名(うち5年後尿あり189名);ベースライン時認知機能検査情報及び5年後認知機能検査情報及び5年後尿あり32名となった。ベースライン時におけるMMSE得点から5年間に4点以上低下したものが27名(ベースライン尿22名、5年後尿25名、両方あり20名)うち、正常範囲(30-28点)から低下したものが19名(ベースライン尿16名、5年後尿19名)であった。 ②2019年に行っていた先行調査の結果より選択した認知機能低下群(5点以上低下)と認知機能維持群各7名のベースライン時(2015年)並びに2019年時の尿の質量分析によるプロテオミクスデータの解析により、ベースライン時における40程度の尿タンパク質群で有意に認知機能低下群と維持群を判別できた。二群の判別には特定健診結果は寄与しなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度に行う予定で延期していた追跡調査を2021年度は行うことが出来た。 予備調査サンプルを用いたプロテオミクスによりベースライン時の尿で将来の認知機能低下を予測できる可能性が示された。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の調査で5年間に認知機能が低下したコホート参加者が一定数得られた。その尿検体を用いて予備調査サンプルによる質量分析結果の妥当性解析を検討する。 本年度までに得られた解析結果の論文化を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度、昨年度行う予定であった追跡調査(春・秋)のうち春の追跡調査を実施できた。そのため研究対象者の認知機能の変化の状況を相当数明らかにすることが出来た。次年度使用額は、本年度までに行った予備調査サンプルによる質量分析結果と合わせて、本年度取得できた検体を用いた解析、ならびに、論文作成・投稿に用いる。
|