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2022 年度 実績報告書

新しい気管支喘息難治化機構の解明と臨床応用 -抗原由来の肺沈着物質Xを探る-

研究課題

研究課題/領域番号 20K10429
研究機関徳島大学

研究代表者

小川 博久  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (50403754)

研究分担者 平 修  福島大学, 食農学類, 教授 (30416672)
吾妻 雅彦  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (80325282) [辞退]
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード気管支喘息 / 難治性喘息 / 質量分析法 / シアル酸 / セラミド
研究実績の概要

本年度はマウス凍結肺を用いて、質量分析法(LC-MS法)によって凍結肺中の低分子化合物を網羅的解析にて検出した。使用したマウス群はコントロール、ダニ抗原感作喘息群、ダニ抗原感作喘息+ステロイド(デキサメタゾン:Dex)治療群、複数抗原(ダニ、スギ、アスペルギルス)感作喘息群、複数抗原感作喘息+Dex治療群の5群である。これらのマウス群で検出された低分子化合物は6890個で、複数抗原感作喘息群が他群より有意に高く、Dexに抵抗性の物質は143個検出された。マウス肺を凍結切片にして、イメージング質量分析法にて切片上のシグナルを検出すると、気管支周囲では23物質がみられた。この物質についてmetaboanalystという統計ソフトでheatmap、VIP scoreを算出すると、3-デオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-2-ノヌロン酸(KDN)というシアル酸、セラミド(18:0)、リン酸化セラミド(14:0)m/z623.5、m/z697.65を示す物質の5つが難治化因子として重要と決定された。この内セラミド(18:0)は複数抗原の抗原液中にも検出された。喘息への作用は不明だがKDNはスギやアスペルギルスから代謝され作られたシアル酸であり、またセラミドはマクロファージなどに作用して炎症をもたらすことが分かっている。以上から、吸入した抗原の代謝産物から難治性を獲得する可能性が示唆された。
昨年度には、97種類のアミノ酸やアミンを5群間で比較しており、結果として酸化ストレスや血管新生に関連した代謝系、GABAを含むグルタミン酸代謝系でステロイド抵抗性を示すことを明らかにした。
本年度検出した5物質が昨年度明らかにした代謝系とどのように関わり、さらに喘息のアレルギー性炎症や気道リモデリング形成にどのように関わるかなど不明な点は多く。今後はこれらについても研究を進める必要があると考えた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] γ-アミノ酪酸(GABA)は喘息における粘液細胞過形成に関与するのか?2023

    • 著者名/発表者名
      小川博久 清水真祐子、宮上 侑子、住田智志、柿本拓海、常山幸一
    • 学会等名
      第112回日本病理学会総会
  • [学会発表] 慢性気管支喘息の気道リモデリングにおけるリゾフォスファチジン酸受容体の役割2022

    • 著者名/発表者名
      立花尚太郎、小川博久、清水真祐子、常山幸一
    • 学会等名
      第111回日本病理学会総会
  • [学会発表] リゾフォスファチジン酸(LPA)はLPA1受容体を介して粘液細胞過形成を促進する.2022

    • 著者名/発表者名
      小川博久、清水真祐子、佐藤正大、常山幸一、西岡安彦
    • 学会等名
      第71回日本アレルギー学会学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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