| 研究課題/領域番号 |
20K10430
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| 研究機関 | 鹿児島大学 |
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研究代表者 |
牛飼 美晴 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70232816)
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| 研究分担者 |
堀内 正久 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50264403)
川口 博明 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60325777)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 不妊 / 脂肪酸代謝異常 / カルニチン / ストレス脆弱性 |
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| 研究実績の概要 |
少子高齢化の進む中で不妊の問題は深刻化しており、原因も様々で、要因別の対策が求められている。本研究では、脂肪酸代謝異常であるヒト全身性カルニチン欠乏症モデル(JVS)マウスを用い、社会的ストレス脆弱性を評価し、カルニチン欠乏状態での雌性不妊病態について解析することを目的としている。カルニチンの作用は、従来知られていた脂肪酸代謝に関するだけでなく、精神機能にも関与することがわかってきた。しかし、カルニチン低下がもたらす病態には不明な点が多い。そこで、JVSメスマウスで見出した雌性不妊の解明を通して、脂肪酸代謝の観点から、ストレス脆弱性にも着目し検討する。
不妊の要因として、性周期の異常と生殖器官(卵巣・子宮)の重量について検討した。性周期については、膣スメア判定法が用いられているが、ストレス脆弱性を考慮して、より非侵襲的な方法の検討を試みた。性周期評価系確立のため、野生型メスマウス群とJVSメスマウス群おける回転車による自発活動量・体重・摂食量・飲水量を測定した。実験開始後、JVSメスマウスは、食欲低下による体重減少傾向が認められた。そこで、群飼のJVSメスマウスを単飼し、摂食量・体重・飲水量を測定すると、単飼開始1週間以内で、摂食量および体重が減少するJVSメスマウスがいることを確認した。JVSオスマウスにおいては、このような異常の程度は小さい。また、メスマウスにおける体温日内リズムの測定系の確立試みた、測定チップを埋め込み、体重・摂食量・飲水量・活動量を測定した。頸部に測定チップを埋め込むよりも腹部に測定チップを埋め込むほうが体温のばらつきが少ないことも確認できた。一方、生殖器官の重量について、JVSマウスがやや重量低下の傾向であったが、カルニチン投与より早期に不妊が改善することから、生殖器官の器質的な異常によるものではないと考えている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
JVSマウスを用い、脂肪酸代謝異常とストレス脆弱性のメカニズムの解明につながる知見が得られ、次年度以降に予定している研究実施に有用であると考えられる。メスマウスの性周期の評価系の確立は、遅れているが、令和3年度も引き続き検討する予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和3年度においても、昨年度に引き続き、メスマウスにおける侵襲性の少ない性周期評価系の確立を実施する。今年度は、マウスに接触せずに体温リズムの測定を行い、体温リズムと性周期の関連を検討する。また、ストレス応答性の関与を検討するために、尿中カテコールアミンと血中コルチコステロンを測定し、脂肪酸代謝異常症とストレス脆弱性の関係性を検討する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
理由：令和2年度に、JVSメスマウス性周期の解析を行い、その結果を基に社会的ストレス実験を行い、学会発表する予定だった。性周期評価系の確立が遅れているため、未使用額が生じた。使用計画：社会的ストレスの解析と学会発表を本年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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