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2020 年度 実施状況報告書

肝の脂肪化における血清コリンエステラーゼ活性上昇とその性状

研究課題

研究課題/領域番号 20K10456
研究機関日本医科大学

研究代表者

平田 幸代  日本医科大学, 医学部, 助教 (40322515)

研究分担者 川田 智之  日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00224791)
稲垣 弘文  日本医科大学, 医学部, 講師 (50213111)
李 英姫  日本医科大学, 医学部, 准教授 (60350039)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードコリンエステラーゼ / 脂肪肝
研究実績の概要

①血清ChEのSandwich ELISAの再現性、安定性、感度の向上
当研究室では、以前ヒトChEに対するモノクローナル抗体を作製しているが、当時は部分精製された抗原しか入手できず、2種類の抗体しか得ることができなかった。しかし、最近になって純度の高いリコンビナントヒトChE (Sino Biological)を入手できるようになったため、これを抗原として新たにモノクローナル抗体を作製することとした。
Balb/cマウス(5週齢、雌)に、リコンビナントヒトChEを免疫し、マウス血清中にChEに対する抗体価が上昇したことを確認後、常法によりハイブリドーマを作製した。ヒト血漿由来の精製ChE (BioPur AG)を抗原として、スクリーニングを行い、陽性を示すハイブリドーマが71種類得られた。このうち吸光度が高いものから20種を選択し、クローニングを行った。これらの抗体のアイソタイプはIgG1(11種類)、IgG2a(5種類)、IgG2b(4種類)であった。
②In vitroの脂肪肝モデルを用い脂肪蓄積量とChEとの関連性の検討
先ず、In vitroの脂肪肝モデルの確認およびこのモデルにおけるオレイン酸(OA)添加濃度と脂肪量の関係を確認した。既報に従って、高分化型ヒト肝がん細胞(HuH-7)にOAを添加して脂肪肝モデルを作製し、再現性を確認した後、OAを最終濃度0, 0.1, 0.3, 0.6mMで添加し、24時間後に細胞内脂質を測定した。細胞内脂質は、細胞をホルマリン固定後、Oil Red O染色を行い、100%イソプロピルアルコールによりOil Red Oを溶出したサンプルの吸光度(500nm)を測定し、定量を行った。その結果、OAの添加濃度の増加に伴い、細胞内の脂肪量が増加することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、新型コロナウイルス感染症の発生により、緊急事態宣言が発令された。感染予防の観点から、本研究の開始を約3か月遅らせたため。さらに、モノクローナル抗体作製を行うための動物実験室の空きが無く、準備に約2か月要したため。

今後の研究の推進方策

①血清ChEのSandwich ELISAの再現性、安定性、感度の向上
得られた20種類のモノクローナル抗体の精製を行い、ポリクローナル抗体も含めてSandwich ELISAで利用する抗体の組合せを、リコンビナントヒトChEを標準品として検量線、測定範囲、検出限界を比較し、決定する。サンプルとして市販のプール血清およびHuH-7の培養上清の反応性の比較も行う。感度を向上させるために、抗体はビオチン標識を行い、その後の発色については、反応性が高く、安定性に優れた西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を用いる予定であるが、さらに感度を向上させるために、DELFIAを用いた測定法についても検討する。以上の結果を踏まえ、ヒトChEに特異的なSandwich ELISAを確立する。さらに、同一サンプルを繰り返し測定し、再現性についても検討を行う。
②In vitroの脂肪肝モデルを用い脂肪蓄積量とChEとの関連性の検討
1)OAの濃度変化によるChE発現への影響を遺伝子レベルで解析するために、OAを最終濃度0, 0.1, 0.3, 0.6mMで添加し、24時間後に総RNAを抽出する。これを鋳型としてRT-PCRを行い、G3PDHをコントロールとしてChEのmRNA量を比較する。同様に、肝細胞から分泌あるいは特異的に産生される蛋白質(アルブミンやトランスフェリンなど)を測定し、比較する。
2)OA添加後の継時変化については、上記の結果よりOA添加濃度を選択し、添加後0, 6, 12, 24時間に総RNAを抽出する。1)と同様に解析を行う。また、蛋白レベルでの解析は、確立したSandwich ELISAを用いてChE抗原量を測定する。他の蛋白については、市販のELISA kitを使用して測定し、全ての結果を解析する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の発生による緊急事態宣言の発令および感染予防の観点から、本研究の開始が遅れたことにより、研究の進捗状況が予定よりも遅れたことによる。また、リコンビナントヒトBChEを複数のメーカーから購入予定であったが、メーカー側の都合により1社からは入手できなかった。次年度では、入手可能な代替品を検索する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] HuH-7細胞によるアセチルコリンエステラーゼ及びブチリルコリンエステラーゼの発現2021

    • 著者名/発表者名
      平田 幸代, 稲垣 弘文, 川田 智之
    • 学会等名
      日本薬学会 第141年会

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公開日: 2021-12-27  

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