研究課題/領域番号 |
20K10470
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
楠 隆 龍谷大学, 農学部, 教授 (00303818)
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研究分担者 |
東 あかね 京都産業大学, 共通教育推進機構, 教授 (40173132)
武内 治郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60791324)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 食事調査 / 食物アレルギー / アレルギー / 学童 / 生活習慣 / 疫学調査 |
研究実績の概要 |
1)鶏卵アレルギーの早期解除に影響する背景因子について 滋賀県近江八幡市の全公立小中学校生徒(6歳から14歳)の保護者を対象に行った質問紙式調査のデータをもとに、鶏卵アレルギー(HEA)の早期解除に影響する背景因子を検討した。カイ二乗検定の結果、出生季節、出生順位、気管支喘息、二歳未満から発症の湿疹、鶏卵以外の食物アレルギー(FA)が除去継続と関連していた。多変量解析の結果では、秋生まれ、アレルギー性鼻炎、二歳未満から発症の湿疹、鶏卵以外のFAが各々独立して除去継続と関連していた。多変量解析で有意差の得られた背景因子の内、生後早期に判定できる秋生まれ、二歳未満から発症の湿疹、鶏卵以外のFAの3項目をスコア化し、合計点数ごと(0~3点)の除去継続率を検討した。その結果、0点から3点にかけて除去継続率が12%から73%へと有意に上昇した(p<0.001)。 今回の結果から秋生まれ、早期発症の湿疹はFAの発症だけでなく、早期解除にも影響を及ぼす可能性がある。秋生まれ、二歳未満から発症の湿疹、鶏卵以外のFAを用いてスコア化した結果、合計スコアが高いほど除去継続率が高い有意な傾向がみられたことから、これらの背景因子が多くあるほど早期解除が困難となる可能性が考えられる。6歳時点の除去継続を予測する因子として利用できる可能性がある。 2)学童における皮膚カロテノイド量と食物摂取の関連について 滋賀県近江八幡市の3小学校5年生328名を対象に、食事摂取に関する質問紙式調査の結果とベジメータを用いた皮膚カロテノイド量の相関を検討した。多変量解析の結果、緑黄色野菜や果物の摂取、及び運動量が独立して皮膚カロテノイド量と正に相関していた。皮膚カロテノイド量の測定は小学生の食事摂取を評価する上で有用と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作成したデータベースをもとに様々な角度からの解析を行ない、成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
食事調査の結果から主成分分析を行い、学童の食事内容をパターン化した上でアレルギー症状やその他の背景因子との関連を解析していく。 スポーツ活動についてその種類、頻度、期間などとアレルギー症状との関連について、多角的に解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に引き続きコロナの影響で学会出張の機会が減り、旅費等の支出が減少した。 2022年度は2021年度に引き続き解析した成果を論文発表していくため、論文投稿料、英文添削料などに使用する予定。また、データ整理や確認作業のため、非常勤アシスタントを雇用する予定。
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