研究課題/領域番号 |
20K10478
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
白山 芳久 順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (30451769)
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研究分担者 |
湯浅 資之 順天堂大学, 国際教養学部, 教授 (30463748)
岡部 大祐 順天堂大学, 国際教養学部, 講師 (90828261)
アウン ミョーニエン 順天堂大学, 健康総合科学先端研究機構, 特任准教授 (90841990)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 移民 / 生活習慣病対策 / ヘルスプロモーション / 北タイ |
研究実績の概要 |
越境移住者は、移住先で公的保健医療サービスや様々な予防のための介入等を享受できず、生活習慣病(Non-Communicable Diseases: NCDs)対策から取り残される傾向にある。本研究の目的は、ミャンマーからタイ北部へ移住した住民を対象に、効果的な予防介入の開発につながる実証研究を行うことである。 長引くCOVID-19のパンデミックの影響から現地への渡航が制限される中、本研究課題については、これまでの現地タイ北部チェンマイ側の共同研究者らと長年研究を継続していきた知見の蓄積等から、収集済みの量的調査のさらなる解析等の結果を国際学会で発表することができた。 2022年12月6日‐11日にかけて開催された22nd IUNS-ICN International Congress of Nutrition(第22回国際栄養学会議)は、都内の東京国際フォーラム会議場にて106ヶ国から3,344名の参加者を迎え、コロナ前を凌ぐ規模での国際会議となった。本課題の研究代表者(白山)は、この国際会議事務局の広報委員を3年近く務めてきたが、一般演題として原題:Body composition measurement and risk factors for Non-Communicable Diseases (NCDs) among migrant workers in Chiangmai, Northern Thailand「邦題:タイ北部チェンマイにおける出稼労働者の体組成測定及び非伝染性疾患(NCDs)のリスクファクター」を発表することができた。 研究課題の実施期間を一年延長することが認められたため、できるだけ早期に現地を訪問し、介入調査を開始し、当初の計画通り「効果的な介入の開発」を達成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、本研究の調査対象地域であるタイ国と日本との渡航自体は制限の緩和がなされつつあったが、実際に人類学的・公衆衛生学的アプローチにより現地住民に分け入って外国人研究者らが活動する状況にまで回復しているとは言い難い状況であった。 今年度のアウトカムとして、2022年12月6日‐11日にかけて開催された22nd IUNS-ICN International Congress of Nutrition(第22回国際栄養学会議)において、原題:Body composition measurement and risk factors for Non-Communicable Diseases (NCDs) among migrant workers in Chiangmai, Northern Thailand「邦題:タイ北部チェンマイにおける出稼労働者の体組成測定及び非伝染性疾患(NCDs)のリスクファクター」を発表した。 ミャンマー系移民労働者の研究協力者(n=414)のうち、27.8%が高血圧、20%以上が過体重/肥満に分類された。タイ国における過体重/肥満レベルは、長年にわたって着実に増加しており、タイはASEAN地域における肥満のランキングで、マレーシアに次いで2位となっている。移民労働者のNCDsの増加を抑制するためには、健康・栄養教育の効果的な介入方法の開発が、重要であることがあらためて確認された。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題の実施期間を一年延長することが認められたため、できるだけ早期に現地を訪問し、介入調査を開始し、当初の計画通り「効果的介入の開発」という目標を達成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度も引き続き、COVID19パンデミック下において、現地視察・調査の実施が制限されてきたため、研究代表者・共同研究者らの渡航費用・滞在費、現地コーディネーター・調査協力者等への謝金等が次年度に持ち越しすることになった。
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