研究実績の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)の診療実態と合併症(脳心血管疾患[CVD]、骨壊死[ON])および院内死亡について解析をDPC病院のレセプトデータ/DPCデータを用いて実施した。全てのCVDの発現率(/1,000人年)は5.3、CVDの統計学的に有意なリスク因子(ハザード比HR[95%信頼区間、95%CI])は年齢10歳増加毎1.3 [1.2-1.5]、高血圧2.1 [1.6-2.7]、心房細動1.7 [1.0-2.7]、慢性腎臓病1.6 [1.2-2.2]、抗リン脂質抗体症候群1.9 [1.3-2.9]、ステロイドパルス5.8 [3.0-11.4]、経口ステロイド1.6 [1.2-2.1]、免疫抑制剤0.7 [0.6-1.0]だった。 2010から2017年のON罹患率(/1,000人年)はそれぞれ、13.2, 10.6, 11.0, 13.3, 13.1, 9.8, 8.5, 7.3。2010年に対する2011から2017年の相対危険度 [95%CI]はそれぞれ、0.5 [0.2-1.4], 0.3 [0.1-0.9], 0.6 [0.3-1.4], 0.7 [0.3-1.6], 0.4 [0.2-0.8], 0.4 [0.2-0.8], 0.3 [0.1-0.7]と2015年以降有意に減少した。 院内死亡のリスク因子を検討した結果、院内死亡を確認した症例は4.3%、有意なリスク因子(HR[95%CI])は、年齢(10歳増加毎) 1.7 [1.6-1.8] 、男性1.5 [1.2-1.7]、高血圧1.2 [1.0-1.4]、慢性腎不全 1.5 [1.3-1.8]、うつ病1.5 [1.0-2.2]、呼吸器疾患1.3 [1.1-1.6]、悪性腫瘍2.6 [1.9-3.5]、観察開始年0.5 [0.4-0.5]、特定集中治療室管理料加算あり2.6 [2.1-3.2]だった。
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