研究実績の概要 |
関節リウマチ(RA)患者においてヤヌスキナーゼ阻害薬(JAKIs)使用下の血管イベント(深部静脈血栓症、肺塞栓症、動脈血栓症、急性心筋梗塞、脳梗塞)のリスクを検討した。DPC病院のレセプトデータ/DPCデータを用いて、傷病名およびJAKIs、生物学的製剤(bDMARDs)、メトトレキサート(MTX)の処方データを用いて16歳以上のRA患者で新規に上記薬剤が処方された患者を同定した(n=53,448、MTX群n=37,926、bDMARDs群n=37,926、JAKI群n=4,416)。血管イベント全体の発生率 [95%信頼区間](/1000人年)はMTX群では11.29 [10.61-12.01]、bDMARDs群では6.81 [6.20-7.46]、JAKI群では10.12 [7.85-12.86]だった。発生率比[95%信頼区間]は、1.49 [1.14-1.93](JAKI群vs.bDMARDs群)、0.90 [0.70-1.16](JAKI群vs. MTX群)だった。時間依存性Cox回帰分析を用いて患者の年齢、性別、併存症、既往症で調整し、JAKIの調整済みハザード比を算出したところ、1.52 [1.14-2.03](vs. bDMARDs)、1.20 [0.49-2.85](vs.MTX)だった。 DPC病院のレセプトデータ/DPCデータを用いて、高安動脈炎(TAK)患者(n=952、0-19歳は63名、20-64シアは650名、65歳以上は241名)における治療内容等の診療実態を記述した。最も有病率が高かった併存症は高血圧だった。生物学的製剤が処方された患者の割合は全体では24.2%、19歳未満では55.6%、20-64歳では27.4%、65歳以上では7.5%と若年ほど高く、入院率は高齢になるほど高く感染症などの合併症による入院が増加していた。
|