大規模データベースを使うことで、しばしば問題となる選択バイアスの影響が少ないことが特徴である。関節リウマチに対する治療の地域格差の有無を検討したのは本研究が初めてであり、我が国の関節リウマチ診療ガイドラインに有用なエビデンスの一部となった。特にヤヌスキナーゼ阻害薬の安全性については世界的にも注目されており、日本における上質なエビデンスが待たれていたため今回大規模集団でそのリスクが明らかになったことは意義深い。さらに、全身性エリテマトーデスや血管炎などの他のリウマチ性疾患においても薬剤疫学的なエビデンスを得ることができたため、これらの疾患における安全な薬物治療に繋がることが期待される。
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