研究実績の概要 |
日本において要LTBI治療と診断された外国生まれの方のLTBI治療に対する認識や服薬支援におけるニーズを明らかにし、より「患者中心」で「効果的な」情報提供と服薬支援の在り方の検討に貢献するエビデンスの構築を目指した。そのために以下を実施した。 ア)結核登録者情報システムにおけるコホートデータの分析:2016年及び2017年に結核登録者情報システムに潜在性結核感染症要治療者として登録された者全てを対象とし、潜在性結核感染症の登録状況に関する経年変化の記述、及び治療成績において治療中断のリスク要因を特定するために統計解析を実施した。結果を英文論文化した(Kawatsu, et al. 2021. BMC Infect Dis)。 イ)保健所を対象としたアンケート調査:1)全国の保健所、2)2019年に15歳以下の外国出生LTBI患者が登録された保健所、を対象に、それぞれ自己記入式アンケートを実施した。1)の結果を和文論文化し、投稿した(2023年時点で査読中)、2)の結果を英文論文化した(Kasuya, et al. WPSAR in print)。 ウ)外国出生LTBI患者を対象としたアンケート調査及び半構造化面接:2021年及び2022年に結核登録者情報システムに潜在性結核感染症者として登録された外国出生者を対象に半構造化面接を実施した。結果を上記イ)の結果をもとに、外国出生者を対象とした啓発資料(多言語パンフレット及び動画)を作成し、結核研究所のHPにアップロードした。 エ)外国出生者を対象とした結核及びLTBIに関する情報提供の現状調査:全国の保健所及び自治体のホームページを検索し、外国人を対象とした結核及びLTBIに関する情報の内容及び形態について調査した。結果は2021年日本公衆衛生学会総会にて発表した。
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