研究課題/領域番号 |
20K10492
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笹原 祐介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師(常勤) (80775297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 医療アクセス |
研究実績の概要 |
一般に、農村部や過疎地では高齢者の割合が高く、医療サービスへのアクセスは都市部と比較して悪い。そのため医療サービスの利用しやすさが患者の転帰に与える影響について世界中で研究が行われている。日本では病院までの時間や距離と転帰の関連について報告がある一方で、病院までのアクセスに関する全国的な統計はなく、また、二次医療圏を考慮した居住地-病院間距離が退院アウトカムに与える影響について検討した研究は乏しい。本研究は、救急システムを利用して入院した心血管疾患を有する高齢者(65歳以上)は居住地からどの程度離れた病院に入院しているのか、距離と退院時転帰との間に関連はあるか、を明らかにすることを目的とした。 JROAD-DPCデータベースを用いて急性心筋梗塞(AMI)、急性大動脈解離(AAD)、脳梗塞(CI)で救急入院した患者948,977人を解析対象とした。住居と病院の距離は、ポスタルコードを利用しSAS GEODIST関数を用いて算出した。AMIとAADのアウトカムは院内死亡、CIのアウトカムは院内死亡または退院時転帰不良(mRS≧5)とした。距離と転帰の関連は一般化線形混合モデルで評価した。二次医療圏は人口または人口密度を用いて「大都市」「地方都市」「過疎地域」に層別した。 その結果、二次医療圏の半数以上が10Km以下をカバーしているが、50Kmを超える長距離をカバーする医療圏は少なくないことがわかった(二次医療圏数AMI:20、AAD:30、CI:16)。多変量解析の結果、CIにおける転帰不良については大都市二次医療圏で距離に応じてオッズ比が高くなる傾向が示された。次年度は治療要因を含めた解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GISシステムを用いた検討はライセンスを調達できなかったため研究規模を縮小した。今年度は関連学会で成果発表を行い概ね計画通り進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
距離と退院時転帰に関して治療要因を含めた追加解析を行い論文にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
学術集会やセミナー参加がオンライン参加になったことで旅費が抑えられた。論文校正、出版関連費用に使用する予定である。
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