研究課題
2002年から「生活習慣病とそれに続く心血管事故の予防を目的としたコホート研究」を開始し、2007年、2013年、2018年に新規対象者追加しながら生活習慣アンケートと健診データを蓄積してきた。2022年度はこれらのデータを統合したデータセットの作成に至った。従来より出生時体重と生活習慣病との関連を中心に研究してきたが、2022年度は統合したデータセットを使って出生時体重の再現性について検討した。対象者の年齢は35歳から59歳である。2002年と2007年には出生時体重を2500g未満、2500g以上2800g未満、2800g以上3000g未満、3000g以上3200g未満、3200g以上3500g未満、3500g以上4000g未満、4000g以上、わからないの8カテゴリーで質問し、2665名がともに回答していた。2002年の回答分布は、順に119名、366名、445名、482名、236名、133名、19名、865名であった。一方、2007年は、順に138名、418名、509名、480名、269名、118名、23名、710名であった。これらを含む一致率は0.557、カッパ係数は0.456であった。「わからない」を除く7つのカテゴリーに限ると一致率は0.596、カッパ係数は0.498であった。2013年と2018年は出生時体重を1500g未満、1500g以上2500g未満、2500g以上3000g未満、3000g以上4000g未満、4000g以上の5つのカテゴリーで質問し、2857名からともに回答を得た。2013年は、順に11名、202名、1081名、1503名、60名であった。一方、2018年は、順に10名、257名、1143名、1385名、62名であった。一致率は0.773、カッパ係数は0.613であった。
2: おおむね順調に進展している
2022年度は、2002年、2007年、20013年、2018年に実施した生活習慣アンケートと生化学データを統合したデータセットを作成した。2022年度は、このデータセットを使って出生時体重の回答に関する再現性の検討を実施した。これで、経時データを使った出生時体重と健診データ、糖尿病の発症との関連等の検討が可能となった。
2023年からは、経時データセットを使って出生時体重と生活習慣病との関連を検討していく。2002年、2007年、20013年、2018年の経時データとしてBody mass index、空腹時血糖、中性脂肪、高密度リポプロテインがあり、出生時体重とこれらのデータとの関連を混合モデルと用いて分析する。また、本研究の対象者は2018年までの糖尿病発症の有無と時期が把握できており、コックスの比例ハザードモデルを用いた出生時体重と糖尿病発症との関連も検討していく。
2022年度までは、経時データセットの作成に必要なパソコン等の環境整備に留まっていたが、今後は2023年度の助成金と合わせて統計解析に必要な環境の整備に努める。
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Journal of Atherosclerosis and Thrombosis
巻: - ページ: -
10.5551/jat.63519