研究課題
本研究では、岡山県をベースに、妊娠期からAYA(思春期と若年成人)世代までの健康・成長・発達を追跡するための出生前コホートの立ち上げを目指している。(*コホート研究:同一の性質を持つ集団を対象に、原因から結果を追跡する研究)令和2年度は、本研究開始前よりパイロット的にデータ収集を行ってきた産科一次施設において、児の登録と出生前後に得られるデータの蓄積を行った。令和3年度には、これまでに集積してきた、通常の診療において得られたデータ(妊婦の基本情報、入院時記録、妊娠中の悔過、分娩記録等)及び入院期間中に同意を得て取得した質問票による回答(学歴、アレルギー歴、喫煙歴等)のデータベース化を図った。また、「1歳時アンケート調査票」を郵送方式からオンライン方式に計画を変更し、追跡調査の準備を整えた。令和4年度には、新型コロナウイルス感染症の流行で、産科一次施設での倫理審査の承認を得ることが難しい状況となり、「妊娠中のデータ」と「出生後のデータ」の結合する方法に舵を切り、以下二つを達成した。①厚生労働省に、「日本産科婦人科学会登録周産期データベース」(妊娠中のデータ)と「21世紀出生児縦断調査」(出生後のデータ)を結合して利用する許可を得た。②岡山市保健所と、「妊婦健診データ」(妊娠中のデータ)と「乳幼児健診データ」(出生後のデータ)の利用について協議した。最終年度(令和5年度)は、上記①について結合を行い、データセット構築後、「生殖補助医療の小児期の健康・発達への影響の評価」、「帝王切開の小児期の健康・発達への影響の評価」など仮説に基づいて解析、論文化した。また、②について、岡山市保健所や教育委員会と話し合い、コホート設立のための準備を進めた。なお、期間全体を通して、出生前コホート構築にあたり、知見を集積するため、「21世紀出生児縦断調査」を用いた、解析・論文化を行った。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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