研究課題/領域番号 |
20K10499
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
津田 敏秀 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (20231433)
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研究分担者 |
頼藤 貴志 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00452566)
鈴木 越治 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (10627764)
鹿嶋 小緒里 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 准教授 (30581699)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大気汚染 / 環境政策 |
研究実績の概要 |
世界中で、大気汚染環境政策(例:石炭の廃止や燃料の中の硫黄濃度削減)や、工場の閉鎖・オリンピックの際の交通の規制による濃度改善、そしてその健康影響評価が行われているが、このような政策が健康を改善するという結論には至っておらず、更なる研究が必要とされている。 本研究では、東京オリンピック・パラリンピックに伴う交通規制が、大気汚染濃度やその後の疾病・死亡へどのような影響を与えるかを動態統計など用いて評価することを目的の一つに掲げているが、東京オリンピック・パラリンピックが、新型コロナウイルス感染症が流行する中での開催であったことから、新型コロナウイルス感染症の影響を含めた評価が不可欠であると考えるに至った。 令和4年度は、東京オリンピック・パラリンピックと新型コロナウイルス感染症との関連、新型コロナウイルス感染症による規制と喘息との関連など、様々な角度から評価し、論文化した。また、大気汚染と新型コロナウイルス感染症との関連、大気汚染と糖尿病との関連についても検証し、論文化を進めている。 新型コロナウイルス感染症は、社会構造の変化をもたらすほどの影響力があり、リモートワークの推奨やオフィスの地方移転など、都市部での大気汚染濃度の減少にも影響を及ぼすのではないかと考える。 令和5年度は、様々な要因による大気汚染濃度の変化が健康にどのような影響を及ぼすのかについて更なる検証を行う予定である。具体的には、岡山市の所有するデータを用いて、新型コロナウイルス感染症の影響を加味した、大気汚染濃度と救急搬送との関連について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東京オリンピック・パラリンピックにおける交通規制による大気汚染濃度の改善が健康アウトカムに与える影響については、直接的な検討はできなかった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症をからめて、様々な角度から健康評価を行うことで、論文化(2本受理済み、1本修正中、1本執筆中)につながったため、おおむね順調に進展しているとの評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、論文の修正と執筆を行い成果としてまとめる予定である。 また、岡山市の所有するデータを入手し、新型コロナウイルス感染症の影響を加味した、大気汚染濃度と救急搬送との関連について検討する予定であり、様々な要因による大気汚染濃度の変化が健康にどのような影響を及ぼすのかについて更なる検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症対応のため、研究を実施する時間の削減を強いられたため。
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