研究課題/領域番号 |
20K10515
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 康司 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (60288470)
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研究分担者 |
藤井 亮輔 藤田医科大学, 医療科学部, 助教 (60823846)
山田 宏哉 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80610352)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | DNAメチル化 / 疫学研究 / 縦断研究 / 分子疫学 / 生活習慣 / がん死亡 / AHRR遺伝子 |
研究実績の概要 |
本研究は、一般住民を対象として縦断的な研究を行うことにより、白血球DNAメチル化レベルの変動に影響する生活習慣などの要因を明らかにすることを目的としている。今年度は平成27年度と令和3年度の健診を両方受診した者を対象として、6年間のDNAメチル化レベルの変動に関する解析を行うために、DNAメチル化率の測定及びデータ解析を行った。令和3年度の対象者から得たDNAを用いて、平成27年度の対象者でDNAメチル化レベルが測定済である脂質代謝、糖代謝、炎症に関与する遺伝子についてDNAメチル化レベルの測定を行った。平成27年と令和3年の両年受診した者を解析対象とし、調整項目として性、年齢、喫煙習慣、飲酒習慣、好中球割合および脂質異常症治療薬の服用の有無を加え解析を行った結果、白血球suppressor of cytokine signaling-3 (SOCS3)遺伝子のDNAメチル化レベルの変化率と血清中性脂肪値の変化率の間に有意な負の関連を示した。また、平成2年の健診受診者を対象としてaryl hydrocarbon receptor repressor (AHRR)遺伝子のDNAメチル化レベルとがん死亡率との関連を調査した結果、AHRR DNA の低メチル化が癌死亡、特に喫煙関連がんや肺がんの死亡リスク上昇と関連していた。横断研究により、AHRR 遺伝子のDNAメチル化レベルと野菜果物類摂取の指標である血清カロテノイドとの関連について調査した結果、喫煙者では血清プロビタミンAとAHRR 遺伝子のDNAメチル化レベルは正相関を得た。喫煙者ではプロビタミンAが豊富な野菜類を摂取することでAHRR 遺伝子のDNAメチル化レベルが高くなる可能性が示唆された。対象者が少なく十分な解析ができないものについては、今後は対象者をさらに増やし解析を進めていく。
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